心の奥底に秘めた願望やトラウマを暗示する『秘密』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、うお座にあたるのが第12ハウスです。
3区分ではキャデントハウス、柔軟宮に分類されます。
うお座は霊感や直感など、物理的な法則や論理では割り切れない領域をあらわす星座です。
そのため、第12ハウスも常識や理論の外にあるもの、たとえば深層心理などと深く関係しています。
第12ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人の潜在的な願望や、無意識のうちに恐れているシチュエーションなどがわかります。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第12ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第12ハウスに太陽が入っている人は、社会における居場所や肩書きをあえて一つに絞らず、複数の顔を使い分けることで、より自由で豊かな人生を送ることができます。
また、誰にも干渉されないプライベートな時間や空間を確保することで、心の安定を得られるでしょう。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第12ハウスに月が入っている人は、ここではないどこか別の場所への憧れが強く、想像や空想の中で心を癒したり、安らぎを得たりする傾向が見られます。
一方で、他人にプライベートを明かしたり、自身の感情をストレートに表現したりするのは苦手なようです。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第12ハウスに水星が入っている人は、多くの人と意見を戦わせるより、一人でじっくりと思索に耽る時間を持ったほうが、より自由で豊かな発想に恵まれるでしょう。
意見やアイデアを発表するときは、ディベートやプレゼンよりも、文章で表現したほうが、より自身の意図が正確に伝わりやすいようです。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第12ハウスに金星が入っている人は、そのとき夢中になっていることや思いを寄せている人、パートナーなどをあえて周りに公表しようとはしません。
一方で、楽しいことを追求することを好み、自分のみならず他人の遊び心や好奇心を刺激するのも得意です。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第12ハウスに火星が入っている人は今、自分が何を苦痛に感じ、何に憤り、何と戦っているのかを人に知られることを好みません。
怒りや悲しみなどの感情を発露することも少ないものの、いざ逆境に陥るとそれらの抑圧されたエネルギーが一気に吹き出し、それまでの状況を一変させてしまいます。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第12ハウスに木星が入っている人は、匿名性が高い仕事や、人の秘密や社会の裏側に触れるような仕事で身を立てる傾向が見られます。
副業やダブルワークも器用にこなし、むしろサイドビジネスのほうが本業より実入りが良くなることも珍しくありません。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第12ハウスに土星が入っている人は、家族や友人など身近な人にも話せないような根深い秘密を抱えている人が多いです。
後ろ暗い過去や辛い過去を多く持つ一方で、それらの人生経験をもとに悩んでいる人や立ち止まっている人の背中をそっと押すような言葉をかけられる人でもあります。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が属するハウスを見ることで、その人が個性やアイデンティティを見出す場所や、自分らしさを発揮できる場所がわかります。
天王星が第12ハウスに属する人は、本当は自分なりの哲学や価値観を持ち合わせているにもかかわらず、それらを押し殺して無個性な人間を演じる傾向が見られます。
ただし、決して現状に甘んじることなく、誰にも知られない方法で裏から手を回しつつ、世界の改革を果たすでしょう。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
海王星が属するハウスを見ることで、その人が感性を刺激される場所や、夢や理想を託せる場所がわかります。
第12ハウスに海王星を持つ人は、直感や第六感が生活に支障をきたすレベルまで強まる傾向が見られます。
人と違った能力を隠そうとするよりも、その力を人々や社会のために役立てる方法へシフトしたほうが、より自分らしく生きる術を見出せるかもしれません。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第12ハウスに冥王星を持つ人は洞察力が鋭く、相手と過ごした時間に関係なく本質を見抜いてしまう部分があります。
また、自分自身の内面を徹底的に解剖し、分析することで、まるで蛹から蝶へ羽化するように何度も自己改革を繰り返し、人間的な成長を果たします。
第12ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第12ハウスに入っている人は、表面上は温和に見えても、内面は情熱と闘争心に満ちあふれ、必要さえあればいつでも戦えるよう常に身構えているようなところがあるようです。
独立心が強く、自分の哲学や価値観について意見されたり、干渉されたりすることを嫌います。
そのため、重大な決断を誰にも相談せず自分ひとりの意思で決定してしまうこともあります。
おうし座
おうし座のカスプが第12ハウスに入っている人は、基本的には温和な性質の持ち主ですが、多くの人と会話や交流を楽しむよりも、プライバシーが守られる空間で趣味に没頭しているほうが充足感を得られるようです。
特に、芸術や美術など、自らの美意識や語感を満たしてくれるものと触れ合うときに心が安らぐ傾向が見られます。
ふたご座
ふたご座のカスプが第12ハウスに入っている人は、表層は社交性に長け、場の空気を読んで行動するのも得意ですが、一方で気まぐれでわがままな本来の性質を押さえつけるのに苦労している人も多いようです。
好奇心旺盛でスリルに惹きつけられやすいことから、ときに反社会的な人々やコミュニティに関心を抱く傾向も見られます。
かに座
かに座のカスプが第12ハウスに入っている人は、親しい人間や大切に思っている相手との関係ほど、他人に知られないよう隠そうとします。
特に、家庭や身内との間に他者が干渉することに強い抵抗を覚えるようです。
あえて交友関係をひけらかさないのも、自分と身内だけの平穏な関係を守るために必要な措置だと考えているのかもしれません。
しし座
しし座のカスプが第12ハウスに入っている人は、はっきりとした自分の意見や主張があるにも関わらず、あえてそれらを抑えようとする傾向が見られます。
内面には豊かな想像力と表現力を秘めているものの、それらを人目につく形で公表するのは抵抗があるようです。
自らのイメージをのびのびと具現化するときに、安らぎと充足感を覚えるでしょう。
おとめ座
おとめ座のカスプが第12ハウスに入っている人は分析力や観察力に長ける一方で、人の言動や行動など細かな点が気になってしまい、なかなか心の安らぐ瞬間がないようです。
自分あるいは他人の心理がどのような状態にあるのかを常に気にかけ、それらを分析することで、自分自身についてより深い理解を得ようとするでしょう。
てんびん座
てんびん座のカスプが第12ハウスに入っている人は、友人やパートナーとの関係についてはっきりとした理想像を描き、それらを実現しようと努力を重ねます。
ただし、理想が先行しすぎて等身大の相手の姿を把握しきれず、公平かつ公正な視点から相手を評価するのが難しくなってしまう場合があるようです。
さそり座
さそり座のカスプが第12ハウスに入っている人は神秘的な世界や超自然的な現象に強い憧れを抱く傾向が見られます。
深層心理に対する関心も強く、トラウマや恐怖、不安などから目を逸らさずに深く掘り下げることで、精神的にも成長します。
自らの内面を徹底的に解剖することにより、新たな可能性や潜在能力を見出すでしょう。
いて座
いて座のカスプが第12ハウスに入っている人は向学心が旺盛で、未知の世界や分野に関心を惹かれる傾向が見られます。
一方で、自分が本当に興味を持った事柄については人に知られたくないという願望もあるようです。
自分に影響を与えたものの正体をひけらかすことなく、陰ながら研鑽を重ねることで、心の安定を得るでしょう。
やぎ座
やぎ座のカスプが第12ハウスに入っている人は、社会的な地位や肩書きよりも、相手の精神性や人間性を重視したうえで評価を下します。
また、自身の評価基準をもとに、周囲の人間に序列をつける傾向も見られます。
親しくする価値がある相手を厳しく選別し、一定の評価に達した相手とだけ友好関係を結ぼうとするため、品性が高く博学な友人ができやすいでしょう。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが第12ハウスに入っている人は、交友関係をあえて公表しようとはしません。
生身の人間同士よりも、インターネットなど匿名性の高い方法を用いた交流のほうが、安心感を得られるでしょう。
たとえ常識では計れない現象や、理解できない相手と出会ったとしても杓子定規な考え方で判断せず、実像を見つめようとします。
うお座
うお座のカスプが第12ハウスに入っている人は。純粋で奉仕精神にあふれる一方で非常に繊細な感性を持ち、ちょっとしたことで激しく動揺したり、傷ついたりすることがあります。
徹底した秘密主義の一面もあり、特に自身の人格の根底を形作る体験やトラウマに触れられることに強い抵抗を覚えるでしょう。
第12ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。