社会的な役割ややりがいを追求していく『天職』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、やぎ座にあたるのが第10ハウスです。
3区分ではアンギュラーハウス、活動宮に分類されます。
やぎ座は責任感や忍耐力、克己心など自らを厳しく律し、目標に向かって堅実に進んでいく性質をあらわす星座です。
そのため、第10ハウスも果たすべき使命や義務、社会的な責任と深く関係しています
第10ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人が社会から期待され役割や、やりがいを感じられる仕事などがわかります。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第10ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第10ハウスに太陽が入っている人は、仕事を通じて社会に自分の居場所を作り上げることで、アイデンティティを確立しようとする傾向が見られます。
会社や組織に所属するにせよ、経営者やフリーランスとして事業を立ち上げるにせよ、仕事をしていなければ落ち着かないワーカホリックな一面があるかもしれません。
定年退職後はボランティアなどを通じて、社会とのつながりを確保する人も多いです。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第10ハウスに月が入っている人はハウスキーパーや保育士、インテリアコーディネーターなど家庭や家そのものに携わる仕事と縁が深いです。
また、豊かな感受性を活かすのであれば、カウンセラーや心理士など人の心に触れる仕事にも適性があるでしょう。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第10ハウスに水星が入っている人は、営業や販売、コンサルタント、ジャーナリストなど、生まれ持ったコミュニケーション能力や情報処理能力を存分に活かせる仕事に適性があります。
ただし、あまりに変化の乏しい職場環境や、ルーティンワークを求められる仕事だと退屈してしまい、長続きはしないかもしれません。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります。
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第10ハウスに金星が入っている人は趣味を通して得た知識や技術が、そのまま仕事につながるケースが多いです。
趣味の延長線上に仕事があるという感覚なので、本人としては仕事をしている実感が薄く、気付いたらオーバーワーク気味になっていたということも少なくありません。
また、エステティシャンや美容師など人の魅力の仕事を引き出す仕事や、俳優やタレントなど自分の魅力を生かす仕事にも向いています。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第10ハウスに火星が入っている人はいわゆる野心家で、組織や会社のトップを目指したり、昇進や昇級といった形で実力を評価されたりすることに情熱を燃やします。
また、身近に張り合えるライバルがいたり、障壁や困難が多かったりするほど、闘争心を煽られる傾向があるようです。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第10ハウスに木星が入っている人は、出世運に恵まれる傾向があるようです。
基本的にどのような職種や環境でも上手に順応していけます。
さらに、仕事を通して手に入れた名声や財産を独り占めするのではなく、周囲の人々に分け与えていく姿勢が、より多くの人望を集めるでしょう。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第10ハウスに土星が入っている人は生真面目で堅実な仕事ぶりが、社会において高く評価されます。
一方で責任あるポジションも任されやすく、絶えずプレッシャーを感じているかもしれません。
公務員や銀行員、教師など礼儀や上下関係を重んじる職種や業種に適性が高いです。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が属するハウスを見ることで、その人が個性やアイデンティティを見出す場所や、自分らしさを発揮できる場所がわかります。
天王星が第10ハウスに属する人は制約やルールの多い職場や、伝統を重んじる環境には向いていません。
ベンチャー企業など時代に見合った事業を展開している会社や、フリーランスなど働き方のスタイルをある程度自由に決められる職種に適しています。
さらに、個性やオリジナリティが求められる仕事だと、より実力を発揮しやすいでしょう。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
海王星が属するハウスを見ることで、その人が感性を刺激される場所や、夢や理想を託せる場所がわかります。
第10ハウスに海王星を持つ人はその時代の人々の理想を体験したり、夢を見させたりするのが得意です。
生まれ持った鋭い感性や芸術的センスと時代がうまく噛み合えば、社会的にも経済的にも大成する可能性があります。
占い師やヒーラー、チャネラーなどスピリチュアルな分野や神秘的な世界と関わる仕事にも向いています。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第10ハウスに冥王星を持つ人は、特殊な知識や技術が求められる仕事に適性が高いです。
本人が意識しようとせざるとカリスマ性に富み、実力者から引き立てを受けたり、自分自身が権力者になったりすることも多いです。
一方で、務めている会社が倒産したり、リストラの憂き目にあったりと仕事関係のトラブルに巻き込まれることも少なくありません。
第10ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第10ハウスに入っている人は、実際の利益よりも自分が興味を持てるか、意欲的に取り組めるかを重視して仕事を選ぶ傾向が見られます。
チームワークや協調性が求められる仕事では息苦しさを感じることもありますが、やりがいさえ追求できれば、ひとりで黙々と仕事に取り組むことも苦になりません。
おうし座
おうし座のカスプが第10ハウスに入っている人は、五感や美的感覚を活かせる仕事に適性が高いです。
業種や職種に限らず、仕事をする手順や環境についてもこだわりが強い、職人気質な人といえるでしょう。
ふたご座
ふたご座のカスプが第10ハウスに入っている人は、ひとつの仕事にこだわるよりも、マルチタスクをこなしたり副業を持ったりすることで本領を発揮できるでしょう。
特に若いうちはさまざまな職を渡り歩く傾向があり、あらゆる業界で得た知識や経験が人生の後半で生きてきます。
かに座
かに座のカスプが第10ハウスに入っている人は、家事や子育てなど日常生活に即した分野を仕事につなげることで、やりがいや充足感を覚える傾向があるようです。
大企業や大きな組織より、少人数でもアットホームな職場のほうが実力を発揮しやすく、また本人も居心地よく感じるでしょう。
しし座
しし座のカスプが第10ハウスに入っている人は、自分の個性が求められたり、思いついたアイデアを即座に実践できたりする職場環境だと、のびのびと実力を発揮できます。
仕事においてもドラマティックな展開や演出を求め、単調なルーティンワークや実務作業は苦手です。
おとめ座
おとめ座のカスプが第10ハウスに入っている人は、金融関係や医療関係、事務職など正確さと実務能力が求められる仕事に向いています。
仕事においては完璧を求め、自分だけではなく周囲の人々の仕事ぶりにも口を出してしまうことが多いため、職場の空気や調和を乱すことがないよう注意が必要です。
てんびん座
てんびん座のカスプが第10ハウスに入っている人は、営業職やサービス業のようにコミュニケーション能力が求められる仕事や、弁護士や裁判官のような公平かつ公正な判断能力が求められる職業に適性が高いです。
協調性やバランス感覚に長け、チームワークが求められる仕事や、交渉やプレゼンの場においても活躍するでしょう。
さそり座
さそり座のカスプが第10ハウスに入っている人は、研究職や職人など一つの分野に特化した、いわゆるスペシャリストが向いています。
自らが所属する組織や上司に忠実で、一度言い渡された仕事や命令は、たとえ何があろうと最後まで遂行しようとするでしょう。
いて座
いて座のカスプが第10ハウスに入っている人は、記者や編集者、教師など持ち前の向学心や知的好奇心を発揮できる仕事に適性が高いです。
フットワークが軽く、常に俯瞰した視点から物事を判断できる一方で、実務的な作業は苦手かもしれません。
やぎ座
やぎ座のカスプが第10ハウスに入っている人は、所属する組織の体質や環境により、人間性や価値観まで大きく左右される傾向が見られます。
職場から求められる役割や仕事を忠実にこなし、着実に社会的な評価を上げていくでしょう。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが第10ハウスに入っている人は、最終的に自営業やフリーランスを目指すケースが多いようです。
先進的な技術や専門的な資格、伝統的な技能を身につけることで、組織に依存せずに身を立てる術が手に入るでしょう。
うお座
うお座のカスプが第10ハウスに入っている人は、社会的な地位や財産には関心が薄いようです。
慈愛と博愛の精神にあふれ、社会的に弱い立場の人々や、悩みや不安を抱えている人々に手を差し伸べようとします。
しかし、それらの活動は必ずしも仕事につながるとは限らず、ボランティア活動という形で奉仕精神を満たす人もいるようです。
第10ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。