情報のやりとりやコミュニケーションなど人生を豊かにする『学び』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、ふたご座にあたるのが第3ハウスです。
3区分ではキャデントハウス、柔軟宮に分類されます。
ふたご座はコミュニケーション能力やフットワークの軽さ、知的好奇心などを司る星座です。
第3ハウスもまた、知性やコミュニケーション能力と深い関わりがあります。
第3ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人のコミュニケーションの傾向や、知性を発揮するステージなどがわかるのです。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第3ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第3ハウスに太陽が入っている人はより最新の情報に触れること、自らの知識を更新しながら生きることに重きを置く傾向があるようです。
好奇心も向学心も旺盛で、若い頃からさまざまな人やコミュニティと積極的に関わろうとしますが、多様性に触れすぎてかえってアイデンティティが定まらなかったり、進路に迷ったりすることがあるようです。
また、情報を取り入れるだけではなく、有益な情報を世の中に発信することに生きがいを覚えます。
自分自身の魅力や能力についてアピールするのも得意です。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第3ハウスに月が入っている人は最新の情報に触れたり、コミュニケーションをとったりすることで安心感を覚える傾向があるようです。
知的好奇心が旺盛で、勉強や読書を好むため知識や話題が豊富で、相手を楽しませる会話も得意です。
一方で、常に誰かとコミュニケーションをとっていないと不安になってしまう、さみしがりな面もあります。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第3ハウスに水星が入っている人は情報を集めるアンテナが人一倍発達しており、その優れた情報処理能力や実務能力を発揮して、作家やライターとして活躍している人も少なくありません。
地頭がよく、勉強や人づきあいにおいてそれほど苦労した覚えがないという人も多いでしょう。
好奇心旺盛でフットワークも軽い一方で、すぐに興味の対象が移り変わってしまうため、一つのテーマを深く掘り下げるのは苦手なようです。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります。
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第3ハウスに金星が入っている人は、知識を得るための活動そのものに楽しみや喜びを見出す傾向が見られます。
特に美術や芸術に関する関心が高く、自分自身がクリエイターだったり、学芸員や美術教師など人を指導する立場だったりすることも少なくありません。
また、取り入れた知識を活かして人を楽しませる話題を提供したり、場を盛り上げたりすることを得意とします。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第3ハウスに火星が入っている人は、読書や座学から知識を取り入れるよりも、実際に現場に立ったり、旅行をして現地の空気を肌で感じたりなど、アクティブでパワフルな方法から学びを得る傾向が見られます。
頭の回転が早く弁が立つため、営業やプレゼン、討論の場においては目覚ましい活躍を見せるでしょう。
一方で、言葉の力が強すぎて人を圧倒したり、傷つけたりしてしまうことも多いようです。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第3ハウスに木星が入っている人は生まれ持った情報処理能力や蓄積した知識が、収入や財産につながる場合が多いです。
IT関連やマスコミ関係、教師などの知識や情報を取り扱う仕事に向いています。
また、向学心が旺盛で、知識や情報を求めるうちに自然と人脈が広がっていくでしょう。
特に、有益な情報を与えてくれる情報通の知り合いや、知識人とのつながりができやすいです。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第3ハウスに土星が入っている人は、多様な知識や情報を広く浅く取り入れるよりも、一つの分野に対してじっくりと腰を据えて研究することを得意とします。
堅実かつ地道な姿勢は勉強に限らず、コミュニケーションにおいても発揮されるでしょう。
慎重に距離を測りつつ相手を深く理解しようと努め、気安く相手の領域に踏み込むことをしません。
集中力の高さと粘り強さから、資格試験など長期にわたる勉強も苦にならない人が多いようです。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が第3ハウスに属する人は、最新の情報はもちろん、「知る人ぞ知る」といったマニアックな知識や情報に関心を示す傾向が見られます。
言動や発想においても個性的で、周囲からは変わり者と評されたり、また本人も世間で一般的とされている常識や社会通念に価値を見出せないことが多いでしょう。
常に新しい発見や刺激を求めている一面もあり、興味の対象がころころと目まぐるしく入れ替わったり、引っ越しや転職を繰り返したりする人も多いかもしれません。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
第3ハウスに海王星を持つ人は、芸術やファッションなど感性を刺激する分野や、占いやスピリチュアルなど神秘的な世界について学びたがる傾向が見られます。
実際にインスピレーションや創造力に恵まれ、アート業界で大成する人も珍しくありません。
また、コミュニケーションにおいても感覚や感性を重視する傾向があるため、そのときの気分次第で話題が次々に変化するため、周囲を困惑させてしまうことも多いかもしれません。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第3ハウスに冥王星を持つ人は向学心も探究心も旺盛で、一度興味を抱いたらその道のスペシャリストになるまで突き詰める傾向が見られます。
コミュニケーションにおいては言葉の力が非常に強く、人の心を揺さぶることもあれば、圧倒してしまうこともあるかもしれません。
会話や議論においては、熱が入りすぎて相手を怖がらせてしまわないよう注意しましょう。
第3ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第3ハウスに入っている人はまだ知らないこと、未知の領域に触れるときほど知的好奇心が刺激されます。
常に新しい情報を求め、興味の対象が移ろいやすいです。
コミュニケーションにおいては自分からすすんで話を振ったり、話題に切り込んでいったりすることを得意とする反面、相手の言葉に耳を傾けたり言外の意図を察したりするのは苦手とする傾向があります。
おうし座
おうし座のカスプが第3ハウスに入っている人は、いわゆる「スペシャリスト」に憧れを抱く傾向があり、自らも興味を抱いた一つの分野を極めようとします。
学習のスタイルとしては言葉よりも感覚で習得することを得意とするタイプなので、具体例を挙げたり図解したりしたほうがすんなりと理解できるでしょう。
コミュニケーションにおいても五感を重視し、会話の内容よりも相手の声や雰囲気、表情、匂いなどがより強く印象に残りやすいようです。
ふたご座
ふたご座のカスプが第3ハウスに入っている人は、多様な知識や技術を同時に身につけることができる知性と柔軟性を持ち合わせています。
頭の回転が早く、考えてから行動するというより、行動しながら考えることが多いようです。
さまざまな業界やコミュニティを渡り歩き確実に知識や経験を積み上げていく一方で、自らの知的好奇心に振り回されて消耗してしまうケースも見られます。
かに座
かに座のカスプが第3ハウスに入っている人は、特に家族や幼い子どもとのコミュニケーションを好みます。
他人に対しては細やかな気配りを欠かさず、とっつきやすい印象や安心感を与えやすい一方で、相手を優先するあまり自分の意見や欲求を押し殺してしまうことも少なくありません。
考え方が主観に偏りやすく、身内を重んじるあまりそれ以外の相手には排他的な態度をとることも少なくないようです。
しし座
しし座のカスプが第3ハウスに入っている人は、言葉による表現やコミュニケーションがやや大袈裟になりやすく、芝居がかって見えることもあるようです。
向上心旺盛ではあるものの、自分にとって有益な情報以外には関心が薄く、知識の幅が極端に偏る場合もあるかもしれません。
また、勉強や学習にもゲーム性や娯楽性を求め、知識量や情報量を競ったり、議論を戦わせたりすることを好みます。
おとめ座
おとめ座のカスプが第3ハウスに入っている人は、基本的に勉強や事務処理など、頭を働かせる作業を得意とします。
勉学においては完璧な知識を求めるため、正確かつ緻密な情報を厳選するところから始まります。
コミュニケーションにおいても完璧主義な一面が現れやすく、自分の伝えたい情報がいかに正確に相手へ伝達されるかを重視するあまり、感情表現はおざなりになってしまいがちです。
てんびん座
てんびん座のカスプが第3ハウスに入っている人は、他人とのコミュニケーションを通して有益な知識や情報を得る機会が多いです。
話している相手の表情や声のニュアンスを敏感に察し、相手の望む対応を返すことができます。
聞き上手ではあるものの、相手の反応次第で言動を変える傾向があるため、自らの意見を主張するのは苦手かもしれません。
さそり座
さそり座のカスプが第3ハウスに入っている人は、知識においても人間関係においても興味を抱いた対象を追究し、深く理解しようとします。
特に、社会や歴史、人間心理の裏側など人々があえて隠そうとするものや、タブー視されているものほど関心を惹かれる傾向があるようです。
一方で、興味のない分野に関しては全くの無知と言ってもよく、一般常識レベルの知識すら備わっていないというパターンもよく見られます。
いて座
いて座のカスプが第3ハウスに入っている人は、宗教や哲学、異国の言語や文化など自分の生活圏にはないもの、価値観が異なるものに知的好奇心を刺激される傾向があります。
向学心が旺盛で、学ぶことそのものが仕事や趣味に直結するという人もいるでしょう。
人間関係においても変わった生い立ちを辿ってきた人や、文化や生活習慣が大きく異なる人ほど強く興味を惹かれ、積極的に関わろうとします。
やぎ座
やぎ座のカスプが第3ハウスに入っている人は、主に親兄弟や年長者から知識や学びを得る機会が多いようです。
石橋を叩いて渡るタイプで、その場のノリや衝動で行動することは滅多になく、まずは十全な予備知識を身につけてから実行に移そうとするでしょう。
人間関係においては常識やマナーを重視し、 他人にもそれらを遵守することを求める一面があります。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが第3ハウスに入っている人は常識や既成概念に関心がなく、あえてそこから外れることをよしとする傾向すら見られます。
価値基準や思考回路も独特で、ごく限られた人にしか認知されていない技術をあえて学んだり、一般には浸透していない特殊な知識を身につけようとしたりすることが多いです。
コミュニケーションにおける流儀も独特で、儀礼的なマナーや建前には価値を見出せないでしょう。
うお座
うお座のカスプが第2ハウスに入っている人は、知識においてもコミュニケーションにおいても比較的受け身で、偶然の出会いから関心を抱くというパターンが少なくないようです。
コミュニケーションの方法は感覚的で、相手の肩書きや立場にとらわれず、ありのままの姿を柔軟に受け入れます。
相手に対して先入観を持たないだけではなく、相手から色眼鏡で見られることを敏感に察知する能力も持ち合わせており、そのような場合には激しく心を傷つけられるでしょう。
第3ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。