価値観や志を共有する仲間と共に進んでいく『友情』と『未来』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、みずがめ座にあたるのが第11ハウスです。
3区分ではサクシーデントハウス、不動宮に分類されます。
みずがめ座は個性やプライバシー、時代の流れや先見の明などを象徴する星座です。
そのため、第11ハウスもコミュニティの形成や未来と深く関係しています。
第11ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人が交友関係を築く場所や未来のビジョンなどがわかります。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第11ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第11ハウスに太陽が入っている人は、所属するコミュニティでの人間関係や交友関係を通じて、自らのアイデンティティを確保しようとする傾向があるようです。
未来に対して肯定的なヴィジョンを持ち、実際に友人や人脈に助けられて、目標や願望を達成してしまうことが多いでしょう。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第11ハウスに月が入っている人は、心を許せる友人たちに囲まれて過ごしたり、交友関係が広がったりするときに安心感を覚えるでしょう。
友人からの信頼が厚く、また本人も常に友人の身を案じたり、気にかけたりしています。
ただし、そのときの気分によって親しくしたい相手や縁を切りたい相手を選別するため、未来につながる絆を見つけるまでは時間がかかるかもしれません。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第11ハウスに水星が入っている人は交友関係を通じて情報を得たり、ビジネスチャンスを獲得したりする機会が多いようです。
友人には自分と同じように知的好奇心が強い人や知識人が多いでしょう。
最新の情報や未来に対する興味関心が強く、時代の先を読むために知識や情報を収集している部分もあるようです。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第11ハウスに金星が入っている人は、趣味やレジャーはひとりで楽しむものではなく、友人たちと共有するものという意識が強いようです。
友情から恋愛に発展するケースも多いでしょう。
趣味や恋愛を満喫するばかりではなく、未来をさらによりよいものとするために、自分磨きや自己投資も惜しみません。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第11ハウスに火星が入っている人は、ベタベタした友情や依存関係を好まず、自立した友人関係を好みます。
心を許した相手とは遠慮なく意見を戦わせますが、それがきっかけで友情が深まる場合もあれば、かえって決定的な溝ができて関係が壊れてしまうことも多いようです。
夢や理想は障害や困難を打破してこそ獲得できるものという考えが根底にあり、実際にハードルが高ければ高いほど未来へ向かうモチベーションも上がるでしょう。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第11ハウスに木星が入っている人は、交友関係がきっかけでビジネスが成功したり、大きな財を手にしたりする場合が多いようです。
社会的な地位や権力を持つ人が周りに集まりやすいうえ、年齢や性別を問わず多くの人に慕われる人望も持ち合わせています。
未来に対してはおおむね肯定的にとらえており、手にした名声や財産は独り占めせず、お互いに助け合いながら歩んでいくものという意識が強いようです。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第11ハウスに土星が入っている人は、深く交流する相手ほど厳選する傾向が見られます。
そのため、交友関係も狭くなりがちですが、そのぶん心を許した相手には誠実かつ親身になって向き合おうとするでしょう。
周囲に迷惑をかけたくないという意識が強く、自分の夢や理想よりも、社会から求められる役割を優先してしまうかもしれません。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が属するハウスを見ることで、その人が個性やアイデンティティを見出す場所や、自分らしさを発揮できる場所がわかります。
天王星が第11ハウスに属する人は、協調性や社会通念を重んじる人々よりも、それぞれがばらばらな個性を持った人々が集う空間を居心地よく感じます。
ただし、自分が所属する組織やコミュニティに縛られたり、自由を制限されたりすることは我慢できません。
どのような未来を理想とするかは人の数だけ選択肢があると認識しており、社会でまかり通っている価値観や幸福像には関心がないようです。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
海王星が属するハウスを見ることで、その人が感性を刺激される場所や、夢や理想を託せる場所がわかります。
第11ハウスに海王星を持つ人は、相手の肩書きや社会的な立場にとらわれず、フィーリングで友人を選ぶ傾向が強いです。
個性的な友人や芸術家肌の友人に恵まれやすいでしょう。
ただし、本人は交友関係を広げることにそれほど積極的ではなく、むしろ人付き合いに苦手意識を抱いているかもしれません。
理想主義者ゆえに、思い描いた未来と現実のギャップにしばしば落胆することも少なくないようです。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第11ハウスに冥王星を持つ人は、交友関係やコミュニティにおいて自然発生的にリーダーに抜擢されるなど、組織における主導権を握りやすい人です。
逆に、高圧的な態度をとる友人に振り回されたり、同調圧力をかけられたりすることもあるようです。
さらに、転勤や引っ越しなど不可抗力的な力により人間関係を強制的にリセットされてしまうケースも多く、友人関係は長続きしにくいかもしれません。
第11ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第11ハウスに入っている人は、交友関係を通して新しい視点を獲得したり、刺激を受けたりすることが多いようです。
友人として付き合う相手はエネルギッシュで活動的な人が多く、ともに未知の領域を冒険したり、前例のない記録に挑戦したりすることで絆が深まるでしょう。
おうし座
おうし座のカスプが第11ハウスに入っている人は、広くフラットな交友関係を築くよりも、少数でも深い付き合いができる理解者との間で友情を築くタイプの人です。
習い事や資格の取得を通じて、価値観や目標を同じくする仲間との出会いに恵まれるかもしれません。
ふたご座
ふたご座のカスプが第11ハウスに入っている人は友人の入れ替わりが激しく、一人の相手と長期にわたる関係を築くのは難しいかもしれません。
行動を共にすることによる安心感よりも、お互いに刺激を与え合える関係かを重視し、友人が最大のライバルになることも少なくありません。
かに座
かに座のカスプが第11ハウスに入っている人は、共に行動することで発生するメリットよりも、あたたかな心の交流を感じられる関係を重視します。
ただし、警戒心が強く、誰にでも心を開けるというわけではありません。
そのため、少人数でもアットホームなコミュニティを好む傾向があるようです。
しし座
しし座のカスプが第11ハウスに入っている人は、各々が自分の人生を歩みつつ、根底では深い友情で結ばれているような独立した友人関係を好みます。
クリエイター気質の人や個性的な人と縁がつながりやすく、本人も年齢や立場に関係なく、創作意欲や遊び心を忘れることはないでしょう。
おとめ座
おとめ座のカスプが第11ハウスに入っている人は基礎的な能力が高く、他人に頼らざるを得なくなる状況に陥ることは滅多にありません。
そのため、交友関係においては相手と関わることで生じるメリットを冷静に計算したうえで、友人関係を結ぶか否かを判断する場合が多いようです。
てんびん座
てんびん座のカスプが第11ハウスに入っている人は社交性が高く、自然と周囲に人が集まってくるでしょう。
プライベートでも趣味や習い事を通して積極的に人脈を広げようとしますが、関わった全ての人を公平かつ冷静な目で評価し、特定の人物を引き立てるということは滅多にしないようです。
さそり座
さそり座のカスプが第11ハウスに入っている人は、交友関係やコミュニティへの帰属意識が強く、ときにプライベートすら犠牲にしようとする傾向も見られます。
互いの区別が曖昧になるほど深い友情で結ばれた相手との別れや死を経て、人生観や価値観が大きく変わる場合もあるようです。
いて座
いて座のカスプが第11ハウスに入っている人は、知識人や専門家など教養のある相手とつながりやすい傾向があります。
本人も向学心旺盛で、友人たちと研鑽を積みながら、この世の真理や哲学を追求することに喜びを感じるでしょう。
やぎ座
やぎ座のカスプが第11ハウスに入っている人は、社会貢献への意識や上昇志向が強く、必要さえあれば人間関係もキャリアを築くための足がかりとして利用します。
そのため、相手の能力や社会的な立場などから、友人関係を築くに値する人間かを判断する傾向があるようです。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが第11ハウスに入っている人は、自分と似たような生い立ちや価値観を持つ人よりも、全く異質な相手と積極的に関わりたがる傾向が見られます。
どのような相手に対しても偏見や先入観を持たず、相手の哲学やプライバシーを尊重しながら、自立した友情を築くことができます。
うお座
うお座のカスプが第11ハウスに入っている人は同情心に厚く、友人が困っていたり悩んでいたりすると手を貸さずにはいられません。
交友関係に振り回されて心身ともに消耗したり、友人のために自分の財産やリソースを費やしたりといったケースが少なくないでしょう。
第11ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。