生活を構築するために欠かせない『労働』と『健康』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、おとめ座にあたるのが第6ハウスです。
3区分ではキャデントハウス、柔軟宮に分類されます。
おとめ座は物や規律や秩序、実務能力や管理能力などを司る星座です。
そのため、第6ハウスも規律正しく継続していかなければならないもの、たとえば日々のルーティンワークや健康的な生活習慣などと深く関係しています。
第6ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人が生活を維持するために働く場所や、健康管理や自己管理の傾向がわかります。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第6ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第6ハウスに太陽が入っている人は日々の労働により稼ぎを得ること、所属する組織や社会から評価されることに生きがいを見出す傾向があるようです。
人の役に立つことに喜びを感じ、勤勉に立ち働くものの、一方で休日や余暇をどう過ごせばいいのかわからなかったり、休むことに不安を覚えたりする、ややワーカホリックな一面も見られます。
ただし、決して健康を疎かにしているわけではなく、常に最高のパフォーマンスで仕事に従事するために自己管理も怠りません。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第6ハウスに月が入っている人は、仕事をしているときに心の安らぎを得る傾向があるようです。
家よりも職場にいるときのほうが居心地がよく、いきいきと振る舞える人もあるかもしれません。
職場や仕事で関わる仲間を大切にするものの、もともと奉仕精神が旺盛なこともあり、周囲のサポートやサービス残業に追われるうちに体調を崩すおそれがあります。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第6ハウスに水星が入っている人は、職場での人間関係や仕事を通してさまざまな知識や情報を得ることが多いようです。
営業や販売、コンサルティング業や講師など、情報そのものを取り扱う仕事や、コミュニケーションが欠かせない仕事に従事する人もいるかもしれません。
健康への関心も高く、健康に関する情報が入ってくると真っ先に試そうとするでしょう。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります。
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第6ハウスに金星が入っている人は、仕事仲間や顧客を喜ばせることに働きがいを見出す人が多いようです。
仕事で関わる相手に愛を持って接し、場の空気を和ませるムードメーカーや人間関係のバランサーとして立ち回ります。
また、趣味が仕事に直結しやすいのも特徴です。
健康や美容にも気を遣い、忙しい日々の中でも自己管理は怠りません。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第6ハウスに火星が入っている人は、やる気と情熱を持ってエネルギッシュに仕事へ取り組む人です。
働きぶりは忠実で手抜きやごまかしをせず、責任感と使命感も十分に備えていますが、熱中するあまり周囲を置いてけぼりにしてしまうかもしれません。
また、仕事に心血を注ぎすぎて、健康は二の次になってしまうケースも多いので注意しましょう。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第6ハウスに木星が入っている人は、良い職場や仕事仲間に恵まれやすく、働けば働くほど大きな報酬を手にすることができます。
雇用されるばかりではなく雇用する側に回っても十分な成果をあげられるでしょう。
健康にも恵まれ、公私共に充実した生活を送ることができます。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第6ハウスに土星が入っている人は、労働に対して楽しさや働きがいよりも、重圧や緊張を感じることが多いようです。
チームワークが求められる仕事よりも、一人でこつこつ打ち込める仕事のほうがのびのびと実力を発揮できるでしょう。
健康面については持久力やスタミナに優れるものの、仕事を遂行するためならつらくても無理をしてしまうきらいがあるため、突発的な事故や大病に注意しましょう。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が属するハウスを見ることで、その人が個性やアイデンティティを見出す場所や、自分らしさを発揮できる場所がわかります。
天王星が第6ハウスに属する人は、仕事にも自分らしさやオリジナリティを求めます。
ルールが多い職場や縦のつながりが重視される職場では息苦しさを覚え、長く務めるのは難しいかもしれません。
ストレスで体調を崩す前に、ある程度自分の裁量で自由に働ける職場やフリーランスに切り替えたほうが、結果として健康を維持しながら安定して働き続けることができるでしょう。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
海王星が属するハウスを見ることで、その人が感性を刺激される場所や、夢や理想を託せる場所がわかります。
第6ハウスに海王星を持つ人は、報酬を得るためというより、誰かを癒したり社会に貢献したりすることを労働の目的として設定するケースが多いようです。
一方で、現実の生活や将来を見越したうえで仕事を選んだり、キャリアプランを立てたりといったことはしないため、いざ働き始めると労働力として搾取されたり、利益を追求する姿勢に辟易したりする場合もあるかもしれません。
健康面においてはストレス由来の体調不良やメンタル面の疾患に注意しましょう。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第6ハウスに冥王星を持つ人は、自分の仕事に対して妥協せず完璧な結果を出すか、必要最低限の成果だけを提出し指示された以上のことには手をつけないかという極端な労働スタイルに偏りやすいでしょう。
いわゆる修羅場も切り抜けられるようなスタミナと体力に恵まれる一方で、それらを過信しすぎて健康管理が疎かになる傾向があるため注意が必要です。
第6ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第6ハウスに入っている人はデスクワークよりも、外回りなどアクティブに動き回る仕事のほうが長続きしやすいでしょう。
前例がないことに挑戦するなど、自ら先陣を切るのは得意ですが、周囲と足並みを揃えることを強要されると途端にやる気を失ってしまうかもしれません。
自他ともに認める体力とスタミナの持ち主ですが、過信しすぎて健康管理を怠らないよう注意が必要です。
おうし座
おうし座のカスプが第6ハウスに入っている人は、職人や学者のような一つの分野に腰を据えて取り組む仕事に向いています。
飛躍的に地位が向上したり、一躍脚光を浴びたりと派手に活躍する機会は少ないものの、こつこつと地道に仕事へ取り組み、着実に成果を積み重ねていくことで大成するでしょう。
日々の食事をなおざりにせず、自分の体調や体質と相談しつつ研究していくことが、健康を保つことができます。
ふたご座
ふたご座のカスプが第6ハウスに入っている人は、仕事が忙しいほど充足感を得られる傾向が見られます。
自分の実力を試されるような場面ほどモチベーションが上がるでしょう。
若い頃は好奇心の赴くまま、さまざまな職業を転々とするかもしれません。
健康を維持するには、風通しがよく清潔な環境で過ごすことが大切です。
かに座
かに座のカスプが第6ハウスに入っている人は、大企業より小さくてもアットホームな職場のほうが働きやすいでしょう。
模倣する能力に優れているため、有能な上司や先輩のもとにつくことができれば、その技術や知識を受け継いで高い成果をあげられるでしょう。
ストレスや疲労が蓄積すると内臓のダメージとして出やすいため、日々の食事に気を遣いながらこまめな息抜きを心がけましょう。
しし座
しし座のカスプが第6ハウスに入っている人は、仕事や労働に対して一本筋の通ったポリシーや哲学を持っている一方で、職場の環境や人間関係に合わせて柔軟に対応するのは苦手です。
エンターテインメントや創作、表現など注目されやすい仕事に従事することで、モチベーションを維持できるでしょう。
そのときの気分や感情によって仕事の出来や体調も左右されやすいため、メンタルコントロールが大きな課題となります。
おとめ座
おとめ座のカスプが第6ハウスに入っている人は、ルーティンワークを毎日続けることにより、仕事のパフォーマンスにおいても健康においても安定した状態を維持できます。
優れた実務能力を備えているうえ、サービス精神も旺盛なので、自分の仕事が終わると休養や息抜きではなく、周囲のサポートに回ってしまいます。
仕事に対して意欲的なのは良いことですが、人の仕事に手を出しすぎないよう注意が必要です。
てんびん座
てんびん座のカスプが第6ハウスに入っている人は協調性に優れ、チームワークを求められる仕事やサービス業などに向いています。
人脈を通してビジネスチャンスを得たり、仕事上でのパートナーがプライベートのパートナーへと発展したりすることもあるかもしれません。
仕事でのストレスが暴飲暴食につながる傾向があるため、体に負担をかけないストレス解消を心がけましょう。
さそり座
さそり座のカスプが第6ハウスに入っている人は集中力や忍耐力に優れ、追い詰められるほど高いパフォーマンスを発揮します。
本人としては望んで過酷な環境に身を投じているつもりはないものの、縛りや制限を設けられたほうが多くのリターンを得やすいようです。
健康にも人一倍優れるものの、己の丈夫さを過信しすぎないよう注意しましょう。
いて座
いて座のカスプが第6ハウスに入っている人は、ずっと同じ環境で働き続けるよりも、常に新しい世界に触れられる刺激にあふれた環境のほうが働きがいを感じられるでしょう。
転勤や出張が多い仕事や貿易関係の仕事などが向いているかもしれません。
仕事でもプライベートでもよく体を動かし、見聞を広げ続ける事が心身の健康へとつながります。
やぎ座
やぎ座のカスプが第6ハウスに入っている人は基本的に野心が強く、労働を通して社会的な評価や報酬を得ることを重視します。
基本的に実務能力が高く、上下関係を重んじるため、組織に所属すれば着実に昇進していくでしょう。
ただし、自分の働きが正当に評価されないと、途端に働く意欲を失ってしまうようです。
運動や食事など日々の生活習慣に気を配ることが健康に直結します。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが6ハウスに入っている人は、縦社会や前時代的なビジネスマナーが重視される職場にはうまく馴染めません。
むしろ、先進的な感覚や独創性、創造力が求められる環境でこそ真価を発揮します。
ただし、仕事がいくら楽しくても、のめり込みすぎると体を壊すまで働いてしまうおそれがあるため、定期的な休養は欠かせません。
うお座
うお座のカスプが第6ハウスに入っている人は、安定した報酬や社会的な地位にはあまり興味がありません。
この人にとって仕事を選ぶ基準は、どれだけ人や社会に奉仕できるかという点や、夢や理想を追い求められるかという点にあるようです。
仕事のストレスにより健康に支障をきたしたり、治療に励んでも副作用に悩んだりする傾向が見られるため、日頃から健康を維持するよう努めましょう。
第6ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。