堕落へと導く誘惑の鎖
対応する星座：やぎ座
絵柄の解釈
ここではライダー版（ウェイト版、ウェイト・スミス版）の絵柄を元に描かれている人物やモチーフを解説します。
背景・ロケーション
背景は真っ黒に塗り込められており、描かれている人物たちがどのようなシチュエーションに置かれているのか定かではありません。
同じように背景に黒が多様されているカードとして大アルカナ16番『塔』が挙げられますが、こちらは思いがけないアクシデントや破滅など不穏な意味を持ちます。
『悪魔』も誘惑や欲望、執着など、あまり健全とは呼べない状態を暗示することが多いカードです。
あるいは単純に周囲が見えないほど愛欲に溺れている状態と読み解くこともできます。
衣装や小物
手前に描かれている男女は全裸で鎖につながれています。
ただし、鎖は首元に緩く巻き付いている状態で、きつく拘束されているようには見えません。
このことから、ふたりは自らすすんで鎖につながれている、あるいは多少の不自由さはあっても現状に居心地のよさを感じていると解釈できます。
人物と共に描かれているもの
人物の後ろには山羊の角を持った悪魔が描かれています。
額の逆五芒星は悪魔崇拝のシンボルと言われており、悪魔を召喚する魔法陣にもこの図形が用いられることがあります。
また、山羊の頭部と人間の胴体、翼を持つ悪魔は19世紀のフランスで活躍した魔術師であるエリファス・レヴィが描いたバフォメットという悪魔に酷似しています。
悪魔は左手に松明を持ち、鎖につながれた男性の尻尾に火を灯しています。
松明が何を暗示しているのかはさまざまな解釈ができますが、悪魔の手によりエネルギーや欲望を絶えず注ぎ込まれているようにも見えますし、火を点けられても気にならないほど目の前の欲望に囚われているとも読み取れます。
いずれにせよ身の破滅を招きかねない危険な状態であることは確かです。
カードの意味
ここでは占いの解釈に正逆位置を取り入れない場合も考慮し、あえてカードの意味をポジティブ、ネガティブと表記しています。
ほとんどのカードは正位置＝ポジティブな意味、逆位置＝ネガティブな意味とされていますが、『悪魔』など一部のカードは正位置がネガティブな意味を含む場合があります。
そのため、正位置と逆位置を取り入れる場合はカードの示す意味に注意しながら読み解く必要があります。
Positive（逆）
・欲望をコントロールする
・快楽や誘惑を断ち切る
・悪い習慣を改め、規則正しい生活を送る
・自らの欲望に打ち勝つも、再び誘惑に負けてしまう可能性を示唆する
Negative（正）
・誘惑に抗えない
・理性が欲望に呑み込まれていく
・より強力な欲求や執着が生まれる
・現状に甘んじ、進歩が見られない
解釈の一例
恋愛
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解釈に迷ったときは
ここに記したカードの解釈はあくまでも一例です。
同じカードでも、相談者の状況や占者により解釈は異なります。
自分の解釈に自信がないときや、他の人の解釈も聞いてみたいというときはプロに相談するのもひとつの方法です。
占い師紹介
島谷実郷（しまや みさと）
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。
