生きていくうえで関わりを避けられない『他者』のハウス
第1ハウスをおひつじ座と定めたとき、てんびん座にあたるのが7ハウスです。
3区分ではアンギュラーハウス、活動宮に分類されます。
てんびん座は調和や公平、正義、中庸やバランス感覚などを司る星座です。
そのため、第7ハウスも人間関係における調和や社交性などと深く関係しています。
第7ハウスに入っている天体やサイン(星座)に注目することで、その人が人間関係を構築する方法やパートナーの条件などがわかります。
まずは 自分が生まれた日のホロスコープ(出生図)を作ってみましょう
第7ハウスと天体
太陽
太陽はその人の基本となる性格や主体性、社会性、生命力などを象徴する天体です。
太陽が入っているハウスを見ることで、その人が最も生き生きと輝ける場所、生きている実感や生きがいを感じられる場所を読み取ることができます。
第7ハウスに太陽が入っている人は社会や組織を構築する一員として参加すること、他者と関わり続けることで生きている実感を得る傾向が見られます。
人との縁を大切にする一方で、調和を重んじるあまり周囲の意見に流されたり、自分の考えを主張できなかったりする場面もあるかもしれません。
特に、パートナーに対しては影に日向に甲斐甲斐しくサポートを行い、パートナーの人生を支えることこそが自分の生きがいにつながるかもしれません。
月
出生図における月はその人の生まれついての性格や感受性、潜在的な欲望などを現します。
いわばその人の最も原始的な部分、その人の中に眠る子どもの部分と考えるとわかりやすいかもしれません。
月が入っているハウスを見ることで、その人の情緒や感情表現のクセなどがわかります。
第7ハウスに月が入っている人は、人の輪の中に身を置くときに安心感を覚えるでしょう。
協調性に富み、人を楽しませることに喜びを感じる無邪気な心の持ち主です。
一方で、周囲からどう見られているかを意識しすぎるきらいもあり、パートナーを選ぶ際も世間体を気にしたり、誰もが羨むような完璧な結婚をしなければと意気込みすぎたりする傾向があるようです。
水星
出生図における水星は、自分という人間にまつわる情報を世界に発信したり、世界で何が起こっているかという情報を受信したりといった『情報』を司る天体です。
水星が所属するハウスを見ることで、その人のコミュニケーションの傾向がわかります。
第7ハウスに水星が入っている人は社交性が高く、交渉や説得が得意です。
知的な会話を好み、知識人や文化人とのつながりができやすいでしょう。
パートナーに対しても知性やコミュニケーション能力を求め、自分と対等もしくはそれ以上に話上手な相手に惹かれる傾向があるようです。
金星
愛と美を象徴する天体である金星は、出生図においても恋愛や芸術と深い関係があります。
金星が属するハウスを見ることで、その人の恋愛の傾向や、愛情を注ぐ対象などを読み取ることができます。
第7ハウスに金星が入っている人は愛想がよく、性別や年齢を問わず多くの人を惹きつける魅力にあふれています。
本人も積極的に周囲の人を喜ばせたり楽しませたりしようと尽くすため、ますます人脈に恵まれるでしょう。
パートナーも同じくらい社交的で華やかな雰囲気の人を理想とするため、ライバルが多いかもしれません。
火星
勇気や行動力、攻撃性などを司る火星は、人生の荒波を切り開き勝利を手にするために突き進む戦士の星です。
火星が属するハウスを見ることでその人が闘志を発揮するステージ、情熱を注げる場所や事柄がわかります。
第7ハウスに火星が入っている人は、対立や不和を恐れず自身の意見をしっかりと主張できる人です。
交渉や議論の場も得意ですが、言葉に熱が入りすぎて相手を圧倒してしまう場面もあるかもしれません。
パートナーとなる相手も、自分に負けず劣らず情熱的に向き合ってくれる人と相性が良いでしょう。
木星
拡大や発展を象徴する木星は、仕事や財産、人脈など物質的・金銭的な豊かさとも関わりが深い星です。
木星が属するハウスを見ることで、その人が多くのものを手にする場所、恩恵を受けやすい場所がわかります。
第7ハウスに木星が入っている人は、特にビジネスにまつわる人間関係に恵まれる傾向があります。
細かいことにこだわらないおおらかな人柄と懐の深さから、多くの人に慕われるでしょう。
パートナーとなる相手も商才のある人や裕福な人と縁があり、結婚を経てより経済的な豊かさを増すかもしれません。
土星
土星は試練や抑制、忍耐、責任などを司る天体です。
土星が入っているハウスを見ることで、その人が試練や課題を課せられる場面や、自分自身を貫くルールの在りかなどがわかります。
第7ハウスに土星が入っている人は、人の輪に加わるよりも一人で過ごしている時間のほうが安心感を得られるでしょう。
人付き合いに対して非常に慎重で、その場の空気や周囲の反応に気を配るうち、気疲れしてしまうことも少なくありません。
恋愛や結婚に対してもあまり積極的ではないケースが多く、パートナーに対しても遠慮が先に立ち、手放しで甘えるのは難しいかもしれません。
天王星
天王星は改革や変化、独立心などを象徴する星です。
天王星が属するハウスを見ることで、その人が個性やアイデンティティを見出す場所や、自分らしさを発揮できる場所がわかります。
天王星が第7ハウスに属する人は、親しい相手か否かに関係なく、自立した人間関係を構築しようとします。
お互いの価値観やプライバシーを重んじ、依存したり束縛しあったりといった関係を好みません。
パートナーに対しても運命共同体というよりは独立した一人の人間という意識が強く、友だちのようなさっぱりとした付き合い方になりやすいでしょう。
海王星
海王星は感性や想像力、第六感などを司る天体です。
海王星が属するハウスを見ることで、その人が感性を刺激される場所や、夢や理想を託せる場所がわかります。
第7ハウスに海王星を持つ人は、人間関係において自分は自分、他人は他人といった区別をあえてつけようとしません。
相手の人柄や性格を直感で見抜ける反面、恋愛においては理想が先走り、等身大の相手の姿が見えなくなってしまうことも多いでしょう。
パートナーに対しても、相手と深く同調するあまり、自己犠牲的な献身をしてしまうことも少なくありません。
冥王星
冥王星は破壊や再生、絶対的な権力など、不可抗力的な力を司る天体です。
冥王星が属するハウスを見ることで、その人が権力を握る場所、あるいは逆らえない運命などを読み取ることができます。
第7ハウスに冥王星を持つ人は、たびたび自分を取り巻く人間関係がリセットされるような事態に見舞われます。
強制的に人間関係の断捨離をされるような感覚で、付き合いが長続きする相手は限られているかもしれません。
パートナーとの関係においては相手に主導権を委ねたり、あるいは相手の人生に積極的に貢献したりする関係を心地よいと感じる傾向があります。
第7ハウスとサイン(星座)
天体とハウス① でも触れたように、ハウスの位置は使用するハウスシステムにより異なるものの、一つのハウスが複数の星座を跨いでいることは難しくありません。
そのような場合は、ハウスの中にどのサインのカスプ(境界)が入っているかに注目しましょう。
カスプが入っているサインを見ることにより、そのハウスが担当する分野(家庭、仕事、パートナーなど)が、人格や生き方にどのような影響を与えるかを読み取ることができます。
おひつじ座
おひつじ座のカスプが第7ハウスに入っている人は既に最大公約数的な魅力を備えている人よりも、伸びしろやポテンシャルを感じさせる人を発掘することを得意とし、また本人もそのような人と積極的に関わることを好みます。
ただし、興味の対象は変化しやすく、継続的な人間関係を構築するのは難しいようです。
おうし座
おうし座のカスプが第7ハウスに入っている人は、表面的で短期的な人間関係には意味を見出せず、深く継続的な関係を求めます。
その人の持つ才能を重視し、一芸に秀でた人々や専門的な技術や知識を持つ人々との交流を経て、自らもまた人生を捧げられるテーマを見出すでしょう。
ふたご座
ふたご座のカスプが第7ハウスに入っている人は、多くの人と議論や会話を交わすことを好みます。
自ら話題を提供するのはもちろん、よき聞き手に回ることも得意です。
さまざまな哲学や価値観に触れることで、自らの思考もまた洗練されていくでしょう。
かに座
かに座のカスプが第7ハウスに入っている人は、広く浅い関係よりも、狭く深い関係に埋没していくことを望みます。
特に、パートナーと呼べる関係を構築した相手とは、二人だけが共有できる世界やルールが生まれるケースが多いようです。
恋愛や交友関係においては、刺激やスリルよりも安定や安らぎを重視するでしょう。
しし座
しし座のカスプが第7ハウスに入っている人は、いわゆる我が道を行くタイプの人に強く惹かれる傾向があります。
自らのアイデンティティや自分らしい生き方と徹底的に向き合う人々に刺激を受けるうち、自らも人の人生を演出したり、サポートしたりすることに興味が湧いてくるでしょう。
おとめ座
おとめ座のカスプが第7ハウスに入っている人は、完璧主義とも呼べるほど強いこだわりを持つ人との交流を通して、学ぶことが多くなりそうです。
社会の一員として生きていくにあたり求められる役割や責任について、はじめのうちはぼんやりとした認識しか抱けなかったとしても、パートナーや友人との交流を通じて次第に明確化されていきます。
てんびん座
てんびん座のカスプが第7ハウスに入っている人は、人間関係を通してさまざまな個性や意見の対立を目にしていくうちに、物事を公平かつ公正に判断する目が養われていきます。
社会における自分自身の価値や評価を客観視することで、周囲から求められている役割は何なのか、最大限能力を発揮できる場所はどこなのかを冷静に分析できるでしょう。
さそり座
さそり座のカスプが第7ハウスに入っている人は一度結びついたら簡単には離れらないような、根深い関係性を求める傾向があります。
自分自身の本音やバックグラウンドを正直に打ち明けるかわりに、相手にも全てを見せるよう求めるでしょう。
いて座
いて座のカスプが第7ハウスに入っている人は、新しい発見や知識をもたらしてくれる人との交流を求めます。
人間関係を通してあらゆる視野や価値観を取り入れることで、自らの課題や使命についてもまた俯瞰して見ることができるようになるでしょう。
やぎ座
やぎ座のカスプが第7ハウスに入っている人は、自分自身にもたらされるメリットを最優先に、事務的に人間関係を構築する傾向があります。
特にプライベートの人間関係については保守的で、積極的に人脈を広げようとはしません。
みずがめ座
みずがめ座のカスプが第7ハウスに入っている人は、ありのままの自分を受け入れてくれる相手との出会いによって、人生観や価値観が大きく覆される可能性があります。
人生において孤独に苛まれる期間が長かったとしても、他人に受け入れられる経験を経て、自己肯定感や安心感を知ることができます。
うお座
うお座のカスプが第7ハウスに入っている人は、人間関係を構築する際に、相手の肩書きやバックグラウンドにとらわれません。
むしろ、自分とは異質な相手と積極的に関わることで、主観のみならず多角的な視点から物事を判断する術を体得できます。
第7ハウスに天体がない場合の読み方はこちら
さらに詳しく
ハウスの意味について詳しく知りたい方にはこちらの書籍もおすすめです。
電子書籍版も刊行されています。
そのほかのおすすめ書籍について詳しくはこちら
※ハウスがもつ意味や性質はここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。