おうち時間でタロット占いを学ぼう!目的別おすすめの書籍でも触れたように、タロット占いは必ずしもすべてのカードの意味を覚えていなければ占えないとは限りません。むしろ、実際に占って自分なりの解釈を展開しながらカードの意味を覚えていったほうが短期間で身につく可能性もあります。
そこで、問題になるのがどのデッキを購入すればいいいのか?ということです。
実践を通して学習するとなると、カードの意味やスプレッド(カードの並べ方)について解説したテキストブックとタロットカードが必要になります。
しかし、一口にタロットカードといっても価格帯や大きさもさまざまです。
初めて占いに触れる人が、いきなり自分に合ったタロットカードを選ぶのは至難の業でしょう。
これから最初のタロットカードを購入する人や、既に手元にあるものの予備やストックを持っておきたいという人のために、タロットカードの選び方やおすすめのデッキについて紹介します。
- そもそもタロットカードはどこで買えるのか?
- どんな種類のデッキか最初にチェックを
- 大きさにも注意
- タロットカードとオラクルカードの違い
- 自分に合ったデッキを見つけよう!おすすめのタロットカード
- こんなバリエーションも!ライダー版以外のタロットカード
- タロットカードは消耗品?
- 占い師紹介
そもそもタロットカードはどこで買えるのか?
タロット占いの方法を書いた教本は書店などでも見かけますが、タロットカードそのものはどこで手に入るのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
主な入手方法は以下の四つです。
書店
書店によっては占い関連の書籍が並んでいるコーナーにタロットカードが販売されている場合もあります。
また、教本とデッキがセットになっているタイプの書籍なら、古本を扱っている書店でも手に入る可能性があります。
さらに、書店によってはタロットカードの展示会や販売会を開催していることもあるので、イベントの時期を狙ってみるのもよいでしょう。
タロットカードや占い用具の専門店
国内製・国外製含めなるべく多くのタロットを見てみたいという人や、少し珍しいタロットや絶版のタロットを探しているという人には専門店がおすすめです。
実店舗を構えているお店もありますが、居住地などの関係で直接足を運ぶのが難しい場合は通販を利用するとよいでしょう。
譲渡会
必ずしも新品でなくとも構わないという場合は、譲渡会で入手するのも一つの方法です。
譲渡会に参加するメリットとして、さまざまな種類や状態、価格のタロットをその場で比較検討したうえで購入できるという点が挙げられます。
イベントで直接取引を行うこともできますが、会場が遠かったり予定が合わなかったりで参加が難しい場合は、オンラインで取引可能な譲渡会を探してみるのも一つの方法です。
ネット通販サイトやフリマアプリ・オークションサイト
Amazonや楽天などの大手ショッピングサイトでもタロットカードの取り扱いがあります。
品揃えは専門店ほどではありませんが、ひとまず練習用のカードが欲しい、なるべく早めに手に入れたいという場合はショッピングサイトを通して探してみるのもよいでしょう。
フリマアプリでも中古のタロットカードが出品されている場合がありますが、汚れや折り目、湾曲があったりカードが欠けていたりする可能性もゼロではありません。
気になるカードがあったら、購入する前にカードの状態を出品者に細かく確認しておいたほうが無難です。
値段交渉や配送事故なども含め、トラブルがあった場合は出品者と直接やり取りする必要が生じます。
オークションサイトでは稀に海外の珍しいカードや絶版になったカードが見つかる場合もありますが、そのようなカードは価格も相応に高くつく場合が多いので、どちらかといえばコレクター向けの方法です。
どんな種類のデッキか最初にチェックを
たとえばAmazonや楽天などの通販サイトで「タロッカード」などのキーワードで検索してみると、絵柄も価格もさまざまなタロットカードが流通していることがわかります。
猫や小鳥をモチーフにした可愛らしい絵柄のタロット、漫画家やイラストレーターが手がけたタロット、天使や悪魔などのミステリアスなモチーフを取り入れたタロットなど、絵柄から直感的に欲しい!と思えるタロットが見つかるのは珍しいことではありません。
インスピレーションや解釈を助けるという意味でも、タロットカードの絵柄は非常に重要な役目を果たします。
気になるカードが見つかったら、まずはそのカードがどの種類のタロットに準じた構成になっているのかを確認しましょう。
おうち時間でタロット占いを学ぼう!目的別おすすめの書籍でも解説したように、タロットにはライダー版タロット、マルセイユ版タロット、トート・タロットなどいくつかの分派があります。
現在市場に流通しているタロットは、これらのうちいずれかのタロットの構成をもとに、絵柄のみを描きかえたものがほとんどです。
中にはエテイヤ版タロットやブサンソン版タロットなど比較的マイナーな分派を踏襲しているものや、複数の分派をかけ合わせたもの、占術家が絵柄や構成に独自の解釈を加えたものもあります。
絵柄に惹かれて買ったものの、デッキの構成が思っていたものと違った……ということが起こらないように、あらかじめどの分派のタロットを踏襲しているのか、デッキの構成を確認しておいたほうが安心です。
大きさにも注意
デッキの構成のほかに気を付けたいのが、カード本体の大きさです。
タロットカードは大きく分けて以下の4種類のサイズが流通しています。
・ジャイアント(グランデ) 約145×80mm
主に講座などで使用されます。
大きすぎてシャッフルしづらいだけではなく、大アルカナのみのデッキも多いため、あまり実用的ではありません。
・スタンダード 約120×66 mm
その名の通り、市場に流通している多くのデッキに採用されているサイズです。
トランプよりもやや大きく、手の大きさによっては慣れるまでシャッフルがしにくいと感じる場合もあるかもしれません。
・ポケット 約80×44mm
一般的なトランプ程度のサイズです。
スタンダードが扱いづらいと感じたら、こちらのサイズに切り替えてみるのもよいでしょう。
手が小さい人や携帯用のカードを探している人におすすめです。
・ミニ 約44×74mm
花札程度のサイズで、携帯はしやすいもののやはりシャッフルや展開がしにくく、小さすぎて絵柄が見づらいため、コレクションとして楽しむ意味合いが強いでしょう。
実践で使われることが多いのはスタンダードとポケットです。
自宅などで練習する際はどちらか一つを持っていれば十分ですが、占いに慣れてきて自宅以外の場所でも鑑定するようになったら、スタンダードとポケットを最低1種類ずつ持っておくことをおすすめします。
依頼を受けて鑑定する際は出たカードの結果が見やすいようにスタンダードを、出先で占う際は持ち歩きやすく限られたスペースでも使いやすいポケットを、というように使い分けるとよいでしょう。
タロットカードとオラクルカードの違い
カードの専門店やネット通販でタロットカードを探していると、タロットだけではなくオラクルカードのデッキも多く見つかります。
オラクルカードも占いに使われるカードですが、占い方や構成はタロットカードとは異なります。
大まかな違いについては下記の通りです。
オラクルカード
・明るく幻想的な絵柄や可愛らしい絵柄のカードが多い。
・カードに込められたメッセージは基本的にポジティブなものが多い。
・絵柄を見れば一目で意味がわかったり、意味やメッセージがカードに記入されていたりと、初心者でもリーディングがしやすい工夫がされているものが多い。
・絵柄や枚数はデッキにより異なり、統一されていない。
・占術家に限らず、ヒーラーやサイキッカーにより考案されたデッキも多い。
タロットカード
・動物や天使を取り入れたファンシーでガーリーな絵柄から、悪魔やモンスターをモチーフにしたダークなテイストのものまでデザインの幅が広い。
・基本的にどのカードもポジティブな意味とネガティブな意味の両面が存在する。
・絵柄には象徴や暗喩が多く含まれ、正しく読み取るにはある程度の知識が必要。
・分派によって違いはあるものの、絵柄や枚数はある程度統一されている。
タロットカードとオラクルカードは見た目や名前が似ているものも多いので、混同しないよう十分に確認したうえで購入しましょう。
自分に合ったデッキを見つけよう!おすすめのタロットカード
ここからはデザインや用途ごとにおすすめのデッキを紹介します。
まずは基本に慣れることから!スタンダードなデッキ
ライダー・ウェイト・タロット・スタンダード
ライダー版のタロットを勉強すると決めている人はもちろん、タロットを勉強したいけれど特にどの種類のタロットを使うかは決めていないという人も、まずはスタンダードなデッキを使って練習を始めることをおすすめします。
現在日本で手に入るタロットカードのほとんどは、ライダー版をベースに構成されたものです。
ただし、同じ構成でも絵柄が異なると、カードに含まれる象徴や暗喩が読み取りにくくなってしまう可能があります。
まずはスダンダードなデッキを正しく読み取れるようになってから、好きな絵柄のデッキにステップアップするのも一つの方法です。
どこでもタロットの勉強やリーディングができる!携帯に便利なデッキ
ユニバーサル・ウェイト・ライダー・タロット
リーディングに慣れてきたら、自分だけではなく家族や友人を占うこともあるでしょう。
外出先でタロットの勉強をしたり、人を占ったりする予定があるときは、ポケットサイズのデッキが便利です。
また、イベントに参加するときなど、カードを展開できるスペースが限られている場合も役立ちます。
こちらのデッキは上記で紹介したライダー・ウェイト・タロット・スタンダードと同じ絵柄と構成ですが、色鉛筆で描いたようなやわらかく目にやさしい色彩が特徴です。
また、缶ケース入りのデッキも販売されています。
紙箱は持ち歩いているうちに角が潰れてしまうこともありますが、缶ケースならタロットポーチなどに移し替えずそのまま携帯することも可能です。
かわいい絵柄のタロットが使いたい!アニマルモチーフのカード
鳥タロット
スタンダードなデッキでのリーディングに慣れてきたら、自分の好きな絵柄のカードを選んでみましょう。
こちらのタロットはライダー版の絵柄をセキセイインコやオカメインコ、文鳥などの鳥に当てはめたカードです。
見ているだけでほのぼのしてしまう絵柄は、小鳥好きや動物好きな人はもちろん、やさしい絵柄のタロットを探している人にもおすすめです。
ホワイト・セージ・タロット
こちらは繊細なタッチで描かれた愛らしい動物たちと、爽やかな色使いが特徴のデッキです。
小アルカナには7つのチャクラに対応したカラーが取り入れられています。
タロットはもちろん、ヨガや瞑想、レイキ、ヒーリングなどの分野に興味がある人にもおすすめです。
缶ケース入りで携帯に便利なのもうれしいポイント。
ワンダーランド・タロット
イギリス生まれの児童書『不思議の国のアリス』 を題材にしたデッキです。
うさぎやドードー鳥、亀、グリフォンなど作中に登場するお馴染みの動物たちがモチーフとして取り入れられています。
描かれたキャラクターや物語のワンシーンからインスピレーションを得たり、解釈の助けになったりすることもあるでしょう。
『不思議の国のアリス』を愛する人はもちろん、ちょっと個性的なタロットやアーティスティックなタロットを探している人にもおすすめです。
インスピレーションが刺激される!神秘的でアーティスティックな絵柄のタロット
タロット・ミュシャ
19世紀から20世紀にかけて活躍した画家アルフォンス・ミュシャにインスパイアされた絵柄が特徴のタロットカードです。なお、ミュシャの作品をそのまま落とし込んだわけではなく、あくまでもライダー版の構成に沿って描かれたミュシャ風のイラストが描かれています。ミュシャが好きな方はもちろん、エレガントな雰囲気と実用性を両立したデッキを探している方にもおすすめのデッキです。
ニコレッタ・チェッコリ・タロット
シュルレアリスムを思わせる、少しダークな雰囲気をまとった少女のイラストが特徴的なアーティスト、ニコレッタ・チェッコリが手がけたデッキです。ライダー版の構成に沿ってインスピレーションを刺激される詩的で幻想的な情景が描かれたカードは、アーティスティックなだけではなく実用性も兼ね備えています。
携帯しやすいポケットサイズも販売されているため、自宅用と外出用に2サイズ揃えるのもおすすめです。
日本神話タロット極フルデッキセット 伍
イラストレーターのヤマモトナオキ氏が手がける、日本神話をモチーフにした和風のタロットカードです。日本神話タロットには大アルカナのみのデッキもありますが、小アルカナも含めたフルデッキは『伍』が最新のデッキとなっております。(2024年時点)
日本の歴史や神話に詳しい方や、神社仏閣巡りが好きな方が使えば、豊かなインスピレーションに恵まれるかもしれません。
こんなバリエーションも!ライダー版以外のタロットカード
ホワイトキャッツ・タロット
マルセイユ版タロットの構成に、白猫のイラストを落とし込んだデッキです。
少しリアルなタッチで描かれた白猫はユーモラスで、占いながら微笑ましくなってしまうかもしれません。
猫が好きな方はもちろん、定番のマルセイユ版デッキから少し気分を変えたい方、新たなインスピレーションを得たい人にもおすすめです。
タロット・ファミリア
イギリス出身のアーティストであるリサ・パーカーが手がけたデッキです。
マルセイユ版タロットの構成に、猫やカラス、フクロウ、狼といった動物たちの美麗なイラストを落とし込んでいます。
トレーディングカードのようなデザインの裏面が個人的には少し気になりますが、ファンタジー映画や小説が好きな人や、グリム童話のようなあやしくも幻想的な世界観に惹かれる方には特におすすめです。
トート・タロット
トート・タロットはライダー版やマルセイユ版のように絵柄やデッキのバリエーションは少なく、オリジナルのデッキが最も手に入りやすいです。
スタンダード、ポケット、など複数のサイズが展開されているため、使いやすい大きさのものを選びましょう。
タロットカードは消耗品?
タロットカードは紙製のものが多く、毎日のように使っていると半年ほどで傷みが目立ってきます。
多少折り目ができたり曲がったりしても気にせず同じデッキを使い続ける人もいますが、無意識のうちに癖のついたカードを引いてしまったり、シャッフルしても特定のカードが目についたりして占いの結果に偏りが出やすくなる可能性があるということは覚えておいたほうがいいかもしれません。
最初からいきなり複数のデッキを買う必要はありませんが、依頼を受けて鑑定をしたりイベントに参加したりして占う機会が増えてきたら2〜3個のデッキを使い分けることをおすすめします。
ローテーションを組んで使えば、一つのデッキに負担が集中することもなく長持ちします。
常にいくつかのデッキを携帯して、鑑定する前にどのデッキを使いたいか占う人に選んでもらうのもよいでしょう。
人によっては使っているうちに、デッキの癖のようなものが見えてくることもあるそうです。
このデッキは基本的に当たりが優しいけれど言うべきことははっきり言う、このデッキはクリエイター気質の人と相性がいい、このデッキは恋愛や相性など人の気持ちにまつわる占いが得意、というようにデッキごとの傾向が見えてきたら、占いたい内容に合わせてデッキを使い分けると、より占いの精度が上がるかもしれません。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。