星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中でも、トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)の位置づけは少し特殊で、個人天体のような社員でもなければ、社会天体のような明確な支援者でもない、会社の外部から影響を及ぼすポジションにたとえることができます。
試練や制限、規律などをあらわす土星は、たとえるなら『自分』という会社を導くコンサルタントのような星です。
一方、変化や改革を示す天王星は、『自分』という会社と競合するベンチャー企業にたとえることができます。
土星と天王星がアスペクトを形成している状態は、たとえるならコンサルタント(土星)がベンチャー企業(天王星)の斬新な経営方法に目をつけ、研究しているようなイメージです。
土星と天王星が吉角を成している場合、コンサルタント(土星)は天王星(ベンチャー企業)にインスパイアされ、自分でもオリジナルのアイデアを考え、実現しようとします。
逆に、凶角を成している場合、やはりアイデアを実現しようと努力はしているのですが、オリジナリティがききすぎて周りからは『風変わりな人』と思われてしまうかもしれません。
土星は試練や制限、天王星は変化や改革などを司る星です。
土星と天王星のアスペクトに注目することで、その人の根気強さや独創性、こだわりの強さなどを読み取ることができます。
土星と天王星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
抑圧や制限をあらわす土星と、変化や改革を司る天王星が重なっていることから、このアスペクトをもつ人は、独創性と実行力を同時に兼ね備えた人です。
たとえ前例がないようなアイデアでも、綿密な計画と「必ずやり遂げる」という強い意志のもと実現してしまうでしょう。
研究や開発など、先進性と正確性を同時に求められる分野に適性があります。
一方で、プライドが高く頑固な一面もあり、自身の意見や価値観を周りの人に押し付けてしまうこともしばしばです。
人間関係のトラブルを起こすことも多く、組織やグループでの行動を求められる状況では、円満な関係を保つのに苦労するでしょう。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
似た者同士ではあるものの、コンジャンクションのように一体化するほどではなく、極端な影響は出にくいでしょう。
このアスペクトをもつ人は常識にとらわれず、物事の本質を正確に判断できる人です。
計画性と実行力に優れ、根気よくひとつの物事へ取り組み、結果を出します。
真面目で辛抱強い性格なので、組織の中で重要な役割を任されることも多いです。
長期に渡って安定した実力を出せる一方で、瞬発力や柔軟性には欠け、融通が利かないという一面もあります。
一旦思い込んでしまうと間違いを認めるのは難しく、なかなか軌道修正ができません。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションは一心同体、トラインは似た者同士だったのに対し、セクスタイルは親和性こそ高いものの、基本的な考え方は価値観は異なります。
そのため、コンジャンクションやトラインほどストレートな影響が出ることは少ないでしょう。
このアスペクトをもつ人は、独創性と堅実性がバランスよく同居した人です。
客観的に物事を判断できるため、自分の考え方を周りに押し付けたり、思い込みで突っ走ってしまったりといったことは少ないです。
じっくりと物事を考えるタイプなので、瞬発力には欠けるものの、その分、計画的かつ確実に目標を達成するでしょう。
土星と天王星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
たとえるなら、ベンチャー企業(天王星)から影響を受けたコンサルタント(土星)が、改革を押し進めるために突飛な行動に出てしまっているようなイメージです。
このアスペクトをもつ人は改革意識が強く、自ら率先して状況を変えるために行動する傾向が見られます。
衝動的に行動に移すわけではなく、しっかりとした理論と計画に基づいて実行に移すため、動きに無駄がありません。
ただし、論理を重視するあまり、人の感情をしばしば無視してしまうケースもあり、人間関係では苦労することが多いかもしれません。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
性格や価値観に通じ合うところがないため、なかなかお互いの意志が噛み合わず、相手の思考や行動に横やりを入れてしまうこともしばしばです。
このアスペクトをもつ人は、土星の堅実な面と、天王星の革新的な面が交互に現れる傾向が見られます。
本人は真剣に考えて行動しているつもりなのですが、保守的な姿勢をとっていたかと思えば突拍子もない行動に出たりと態度に一貫性がないため、傍から見ると偏屈な人、奇矯な人と評価されることも多いです。
ただし、根本的な性格は真面目なので、要領が悪くともふざけていると思われることは少ないでしょう。
自分自身にあえて厳しいルールを課し、追い込むことができるほどストイックな精神の持ち主なので、その性質をうまく発揮できれば、ひとつの道を極めたスペシャリストになれる可能性もあります。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。