星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中で月を社長令嬢、金星を宣伝担当に置き換えています。
普通の会社では、社長の家族と従業員と親しくなる機会はあまりないのかもしれませんが・・・月と金星がアスペクトを形成している場合、社長令嬢と宣伝担当の間に何らかのつながりがあると考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、月と金星が吉角を成している場合、この会社の宣伝担当(金星)は社長(太陽)よりも令嬢(月)の意向を優先する傾向があるようです。
逆に、凶角を成している場合は、令嬢(月)の気まぐれな提案やお願いを断りきれず、つい甘やかしてしまう宣伝担当(金星)といった状態です。
月は感情や潜在的な欲求、金星は快感や芸術性、社交性などを司ります。
月と金星のアスペクトを見ることで、その人が周囲の人々に与える印象や人付き合いの傾向を読み取ることができます。
月と金星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
月はもともと母性や家庭的な性質をあらわす星です。
そこに金星の華やかさや社交性が加わり、親しみやすさがありながら所帯じみることはなく、洗練された印象を与えます。
このアスペクトをもつ人は、実際の年齢に関係なく、いつまでも若々しく、どこか少女のような清楚で愛らしい雰囲気をまとっています。
世代や性別を問わず人に好かれるため、人間関係で苦労をすることは少ないでしょう。
気配り上手で協調性も高い反面、争いごとが苦手で、利害関係や損得勘定で動くのは抵抗を感じます。
また、人の弱さや甘えたい気持ちをやさしく受け止めてくれる一方で、自分自身にも甘いところがあるようです。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
性格や価値観が似たもの同士、と考えるとわかりやすいでしょう。
このアスペクトをもつ人は、計算や裏表がなく、素のままの自分で人に好かれます。
愛想よく振る舞おうとしなくても、にこやかに人と接することができたり、こまめに連絡をとったりするのが苦にならなかったりする性質なので、対人関係に恵まれやすいでしょう。
特に「社交用のキャラクター」を作っているわけではなく、もともとの性格なので、言動や行動に矛盾がありません。
親しみやすく、信頼できる人柄から、一緒にいると居心地が良いと感じる人が多く、その結果ますます人間関係が充実するという好循環を生むでしょう。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションは一心同体、トラインは似た者同士だったのに対し、セクスタイルは親和性こそ高いものの、基本的な考え方は価値観は異なります。
このアスペクトをもつ人は、事なかれ主義主義に偏りすぎることなく、バランスのとれた対人関係を築ける人です。
人当たりがよく、親しみやすい人柄ではありますが、トラインのように完全な自然体というわけではなく、相手の立場や心情を考慮したうえで立ち回ることができます。
ときには人のために矢面に立ったり、真っ向から対立したりする勇気をもてる人です。
月と金星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
令嬢(月)と宣伝担当(金星)も、お互いの挙動がよく見えているため、相手の領域にいちいち干渉してしまいます。
たとえば、相手と親密になるために、月の領域である内面や私生活をあえてオープンにしたり、逆に自分の潜在的な不安や欲求を解消するために、金星の領域である恋愛や快楽に没頭したり・・・といった具合です。
このアスペクトをもつ人は、人あたりこそ良いものの、争いを恐れるあまり主体性を投げ捨ててまで周りに合わせようとする傾向が見られます。
基本的には人のために献身できる、優しい心の持ち主ではありますが、その優しさを逆手にとって利用されてしまう危険もあるでしょう。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
通じ合うところが全くないため、令嬢(月)と宣伝担当(金星)はお互いの思想や価値観を全く理解できません。
たとえば、令嬢(月)は安定した生活を求めたいのに、宣伝担当(金星)は華やかで高級感のある生活を指向するあまり、身の丈に合わないぜいたくを追い求めてしまいます。
このアスペクトをもつ人は、等身大の自分よりもワンクラス上の自分を「自分のあるべき姿」と捉えており、見栄を張ったりないものねだりをしたりする傾向があるようです。
傷つきやすく繊細な心の持ち主で、自分の弱さや甘えをつい許してしまうのも、ぜいたくに走りやすい理由のひとつです。
また、人間関係においては、誰に対しても愛想よく振る舞うというわけではなく、「心を許した人」と「それ以外」で対応が大きく異なります。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。