星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中で金星を宣伝担当、木星を投資家に置き換えています。
実際の会社で宣伝と投資家が直接関わることは少ないかもしれませんが、たとえるなら「私の会社はもっと魅力的なはず。この魅力を世界に広く知らしめたい」という宣伝(金星)の主張を投資家(木星)が受け止め、さらに魅力を磨くための資金を提供するイメージ・・・を想像すると分かりやすいかもしれません。
金星と木星が吉角を成している場合、宣伝(金星)は投資家(木星)のサポートを受けて、ますます華やかな魅力を増していくでしょう。
逆に、凶角を成している場合、宣伝(金星)はあれもしたい、これもしたいという欲が出て、しかも投資家(木星)が片っぱしからそれらを叶えてしまうので、歯止めがきかない状態になってしまうかもしれません。
金星は芸術性や社交性、木星は拡大や発展、人望などを司る星です。
金星と木星のアスペクトに注目することで、その人の魅力や自己表現の傾向などを読み取ることができます。
金星と木星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
芸術性や社交性を意味する金星と、拡大や発展を司る木星が結びついていることから、このアスペクトをもつ人は多くの人を惹きつける魅力と華やかな雰囲気を備えています。
やや感情表現が大げさな部分はあるものの、基本的に裏表がなく善良で、ほとんどの人と良好な関係を築けるでしょう。
本人も自分をより魅力的に見せようと志向しているため、自己投資を惜しみません。
また、自分の趣味など、楽しみのためにも躊躇いなくお金を使うでしょう。
やや浪費家の傾向は見られますが、社交的で人脈に恵まれるため、ビジネスで成功したり、支援者があらわれたりすることも多く、経済的に困ることは少ないでしょう。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
宣伝(金星)も投資家(木星)も共におおらかで楽観主義、と考えると分かりやすいでしょう。
このアスペクトをもつ人は、明るく健全な人間関係を築ける人です。
本人が愛情豊かなだけではなく、人から注がれる愛情にも恵まれます。
楽観的思考が強く、快楽に弱い部分はあるものの、身を持ち崩すほど極端な贅沢に走ることはないでしょう。
本人も良質なものを好み、美的感覚も優れていることから、服飾や宝飾に関わる仕事に適性があります。
コンジャンクションの場合と同じく、人を惹きつける魅力に富み、恋愛経験も人一倍豊富ですが、どこか常に愛情に飢えているところがあるようです。
ひとりの時間をあまり好まず、誰かに甘えたり寄り添ったりしているときに安心感を覚えるでしょう。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションやトラインよりも親和性が少ないぶん、極端な影響が出ることもないでしょう。
このアスペクトをもつ人は流行に敏感で、時流に合わせて新たな楽しみを見出せる人です。
変わることをおそれない、むしろ変わることを楽しめる人ともいえます。
他のアスペクトと同様、快楽に流されやすい傾向はあるものの、過度な浪費や贅沢に走ることはないでしょう。
友人関係に恵まれやすく、周りの人から支援や援助を受けながら、自分にとっての楽しみを追求できます。
金星と木星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
投資家(木星)が際限なく資金を提供してくるので、宣伝(金星)もどんどん派手なプロモーションに乗り出すイメージ・・・を想像するとわかりやすいかもしれません。
このアスペクトをもつ人は自分をより目立たせたい、魅力的に見せたいという欲求が強く出る傾向が見られます。
自分のセンスや趣味嗜好に自信を持っており、積極的に発信しようとするのですが、こだわりが強すぎて悪趣味ととられてしまうこともあるようです。
美や快楽を追求するためなら惜しみなく出費するため、お金を使いすぎてしまうこともありますが、経済的に困窮することは少なく、本人もあまり気に留めません。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
通じ合うところが全くないため、相手の意図を汲み取ることが難しく、打っても響かないこともあれば、過剰なまでに干渉し合うこともあります。
このアスペクトをもつ人は、分不相応なまでに贅沢や快楽を追い求める傾向があります。
ただし、なかなか満足感は得られず、人生の中でふと孤独を感じることさえあります。
空虚な感覚を埋めるために、より深く恋愛に溺れたり、過剰な浪費に走ったりするかもしれません。
一方で、自ら進んで孤独を選ぶ場合もあり、社会生活や結婚生活に支障をきたすこともあるようです。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。