2021年が始まってからすぐに緊急事態宣言が発令されるなど、2020年に引き続き自宅で過ごす時間が大半を占めているという人も多いのではないでしょうか。
旅行や観劇などが趣味の人にとっては厳しい時期ではありますが、おうち時間は新しい勉強をはじめたり、これまでに得た知識や関心を抱いた分野をさらに掘り下げる大きなチャンスともいえるでしょう。
そこで、おうち時間を利用して西洋占星術の勉強をはじめたい人や、より西洋占星術に詳しくなりたいという人におすすめの書籍を、勉強する目的や習熟度別に紹介します。
- 初めて占星術に触れる人や占星術を学び始めたばかりの人におすすめの書籍
- 占い師として通用するレベルまで知識を深めたい!中〜上級者におすすめの書籍
- 文化や学問としての占いに興味津々!西洋占星術の歴史や雑学を知りたい人におすすめの書籍
- 中古?新品?紙?電子? 自分に合った書籍の選び方
- 解釈はひとつじゃない? 西洋占星術を勉強する際の注意点
- 占い師紹介
初めて占星術に触れる人や占星術を学び始めたばかりの人におすすめの書籍
一口に占星術といってもインド占星術や古典占星術、西洋占星術などさまざまな占術があり、専門用語も多く使われることから、占星術は初めて占いに触れる人にとってはややとっつきにくい占術と思われる場合が多いようです。
独学で勉強するのであれば、日本でも比較的メジャーで参考資料が見つかりやすい西洋占星術から始めてみるのもよいでしょう。
幸い、現代では書籍に限らずインターネットでも西洋占星術について紹介しているWebサイトやブログが多く見つかります。
まずはインターネットを通して基本的な用語やホロスコープの読み方などを学んだあと、書籍からより専門的な知識を身につけるのもひとつの方法です。
初心者からプロまで幅広くおすすめ!手元に一冊あると安心の入門書
増補改訂版 最新占星術入門 松村潔 / 著 学習研究社 ISBN:4054022820
ホロスコープの作り方から天体やサイン、ハウスの意味などホロスコープを読むにあたって必要な知識を網羅した入門書です。
天体とサイン、アスペクトはホロスコープを読むうえで欠かせない要素ではありますが、全てを余すことなく拾い上げるのは難しく、初心者のうちは混乱してしまうことも珍しくありません。
この本ではそれぞれの天体が特定のハウスに入っているときの意味や、特定のアスペクトを形成しているときの意味などがピンポイントかつ簡潔に解説されています。
初心者はもちろん、中〜上級者も手元に確保しておけば、辞書やハンドブックのように使える一冊です。
こんな人におすすめ
・基本的な知識は身についたものの、いざ実践しようとしたら複雑すぎて読み方がわからなくなってしまった。
.ある程度ホロスコープは読める状態だが、天体やサイン、アングル、アスペクトなどの基本的な要素を改めて整理したい。
占星術の知識を実際の生活に活かしたい人へ。やさしく詩的な表現にも注目
星読み+(プラス) 石井ゆかり / 著 幻冬社 ISBN:9784344820463
こちらも天体やサイン、ハウスの意味についてわかりやすく解説した本です。
アスベクトについては詳しく触れられていませんが、そのぶん初めて西洋占星術に触れる人や初心者でも気軽に読める内容となっています。
この本の特徴は難解で複雑な知識や占星術の歴史はひとまず置いておいて、西洋占星術やホロスコープを身近でわかりやすいものとして取り扱っている点です。
自分が生まれた日の星や現在動き続けている星について理解を深め、西洋占星術を生活の一部として取り込む方法を学ぶことができます。
こんな人におすすめ
・占星術を通して自分のコンディションを分析したり、スケジュールの組み立てに反映させたりして生活に活かしたい。
・将来的にはブログやコラムなどを通して自分なりの占いを公開したい。悩みや不安を抱えている人や自分のことをもっと知りたいと考えている人の心に浸透する文章の書き方や言い回しを学びたい。
ビギナーのさらに一歩先へ!ネイタルチャートを徹底的に理解する
鏡リュウジの占星術の教科書I:自分を知る編 鏡リュウジ / 著 原書房 ISBN:9784562056156
雑誌やWebメディアのコラムなどで知られる占術家であり、占星術研究家としても活躍する鏡リュウジ先生の著書です。
こちらは主にネイタルチャート(生まれた日のホロスコープ)に着目し、西洋占星術の基礎について詳しく解説しています。
この本の内容を一通り頭に入れておけば、ダブルチャートやトリプルチャートなどの発展的な内容までステップアップしても、無理なくついていけるでしょう。
入門書に適した一冊ではありますが、ある程度の専門用語や基本的なホロスコープの読み方を身につけてから読んだほうが、内容が理解しやすいかもしれません。
こんな人におすすめ
・プロの占星術師を目指している。インターネットの情報だけでは補いきれないより詳細で専門的な知識を身につけたい。
・ある程度ホロスコープの読み方が身についている。既にプロまたはアマチュアの占術家として活動しているが、基礎的な知識をおさらいしたい。
占い師として通用するレベルまで知識を深めたい!中〜上級者におすすめの書籍
西洋占星術について学んでいる人の中には、プロの占い師を目指している人や、既に占い師として活動している人もいるでしょう。
ある程度知識が深まってくると、初心者向けの入門書では内容として物足りないと感じるかもしれません。
ここからは実践的な知識が身につく書籍や、より深く西洋占星術を研究したいという人におすすめの書籍を紹介します。
占星術師を目指すなら必修!相性や未来の占い方を基礎から解説
鏡リュウジの占星術の教科書Ⅱ:相性と未来を知る編 鏡リュウジ / 著 原書房 ISBN:9784562056163
上記で紹介した『占星術の教科書Ⅰ』の応用編ともいえる書籍です。
『占星術の教科書Ⅰ』の内容を踏まえたうえで、相性占いや未来を占う方法について解説しています。
入門書としてもおすすめできるほどわかりやすい内容ではありますが、正しく理解するためにもまずは『占星術の教科書Ⅰ』に一度目を通してみることをおすすめします。
同時に出版されたこともあり、I・IIを同時に購入する人も多いようです。
趣味として西洋占星術を学ぶというよりも、人を占えるくらい知識を深めたいという場合や、将来的に占術家として活動することを視野に入れているという場合に読んでおきたい一冊といえるでしょう。
こんな人におすすめ
・『占星術の教科書Ⅰ』の内容とネイタルチャートの読み方をマスターしており、さらに応用的な占術について学びたい。
・プロまたはアマチュアの占術家として通用するレベルだが、自分の解釈が間違っていないか確認したい。または自分とは異なる解釈や最新の知識を取り入れたい。
占術のバリエーションや知識の幅を広げたい占術家へ!プログレス法の入門やおさらいにも
鏡リュウジの占星術の教科書Ⅲ:深く未来を知る ステップアップ編 鏡リュウジ / 著 原書房 ISBN:9784562058655
『占星術の教科書』シリーズでは最も新しく、2020年12月に出版されたばかりの書籍です。
I・Ⅱよりもさらに発展的な占術について解説していますが、それに伴いより難解かつ複雑な内容となっているため、 中級者以上におすすめしたい一冊です。
I・Ⅱはまとめ買いをおすすめしていましたが、Ⅲについては一緒に購入するよりも、I・Ⅱの内容を理解したうえで、さらなるステップアップとしてⅢを追加したほうが無難かもしれません。
『占星術の教科書Ⅲ』の大きな特徴は、プログレス法という占術にフォーカスしている点です。
プログレス法とは簡単にいえば、時間の経過とともにその人の運命がどのように移り変わっていくかを占うための方法です。
天体が持つ意味やホロスコープの読み方も、ネイタルチャートを見る場合やトランジット法を使用して占う場合とは違ってきます。
こんな人におすすめ
・プログレス法を基礎から学びたい中〜上級者。
・既にプロやアマチュアの占術家として活躍しているが、占術のバリエーションとしてプログレス法を取り入れたい。
小惑星を取り入れることでホロスコープの解像度がさらに高まる
小惑星占星術 女神からの愛のメッセージ 芳垣宗久 / 著 ISBN: 9784906828326
ホロスコープを読み解く際に用いる天体は占術や占者により様々です。
たとえば現代占星術では天王星、海王星、冥王星を含めた10天体を用いる方法が主流ですが、インド占星術や古典占星術では基本的にトランスサタニアンは考慮しません。
また、西洋占星術の入門書には、小惑星について解説しないものもあります。
小惑星とはリリス、エロス、アモル、ヴェスタ、ジュモー、セレス、パラスなどいくつかの種類があり、小惑星の入っているサインや他の天体とのアスペクトに着目することで、その人の内面をより深く掘り下げることができるのです。
こちらの本では小惑星が持つ意味やサインとの関係について詳しく解説しています。
こんな人におすすめ
・基本の10天体に加えて小惑星を解釈に取り入れることで、より詳細にホロスコープを読み解きたい中〜上級者。
・小惑星に関する知識や情報をアップデートしたい、自身の解釈と照らし合わせて比較したいプロやアマチュアの占術家。
ホラリー占星術について基礎から解説
ホラリー占星術 いけだ笑み / 著 説話社 ISBN:9784916217738
ホラリー占星術は日本ではあまり広く知られてはいないものの、17世紀頃まで盛んに用いられた伝統的な占術の一種です。
ホラリー占星術とは簡単にいえば、悩みや疑問が生まれた瞬間や、質問を投げかけた瞬間のホロスコープを読み解き、回答を導き出す占術です。
日本で手に入るホラリー占星術に関する資料はそれほど多くありません。
その中でも、こちらはホラリー占星術の基本から実践的な占い方まで詳しく解説した数少ない書籍です。
西洋占星術に関する応用的な知識を増やしたい人から、占術のバリエーションとしてホラリー占星術を取り入れたい人までおすすめしたい一冊です。
こんな人におすすめ
・トランジット法やプログレス法など基本となる占術をマスターし、さらに西洋占星術の歴史や占術のバリエーションについて研究したい中〜上級者。
・ホラリー占星術を実践的な占術として取り入れたいプロやアマチュアの占術家。
文化や学問としての占いに興味津々!西洋占星術の歴史や雑学を知りたい人におすすめの書籍
占いを勉強する目的は人ぞれぞれで、必ずしもプロの占い師になりたいと考えている人ばかりではないはずです。
中には占術よりも発祥やどのようにして人々の生活に浸透していったかという成り立ちに興味があったり、文化史や風俗史の一環として占いを研究していたりする人もいるでしょう。
ここからは西洋占星術の歴史や、知っていると占いを学ぶのがもっと楽しくなるようなティップスを扱う書籍について紹介します。
占いはいかにして人々の生活に関わってきたか?さまざまな角度から紹介
占星術の文化誌 鏡リュウジ / 著 原書房 ISBN:9784562053919
翻訳家としても活躍する鏡リュウジ先生は、海外で出版されている書籍の翻訳も数多く手がけています。
日本に限らず、世界中の占星術に関する莫大な資料に触れてきた鏡先生だからこそ上梓できた一冊といえるかもしれません。
内容を簡単に紹介すると、占星術と文学、音楽、美術、医療や心理学など、人々の生活や文化に占星術が与えた影響について記された一冊です。
かつて占星学と天文学は厳密には区別されておらず、同等の学問として扱われていました。
この本を読むことで、その時代の空気や価値観の一端に触れられるかもしれません。
こんな人におすすめ
・文化としての占いや、占星術の歴史について学びたい。
・占い方のマニュアルや手引書ではなく、読みものとしての占星術の本を探している。
タロット、ハーブ、ワイン、宗教……ミステリアスなキーワードに惹かれた方は必見!
占星術夜話 鏡リュウジ / 著 説話社 ISBN:9784906828227
鏡先生といえばメディアの占い特集のイメージが強いという人もいるかもしれませんが、占いの歴史や雑学に関するコラムなども寄稿されています。
こちらは学研ホールディングスより出版されている雑誌『月刊ムー』にて連載されていたコラム『占星術夜話』と『占星術秘話』をまとめた一冊です。
占星術と宗教、占星術とタロット、占星術とハーブなどテーマは多岐に渡り、読みもの感覚で楽しく占星術の歴史を学ぶことができます。
60話というボリュームながら一本あたりのコラムは程よい長さで読みやすく、通勤通学中や休憩の合間に気軽に読めるのも魅力です。
こんな人におすすめ
・占星術の歴史や、占星術と人々の歩みに興味がある。
・占星術だけではなく他の占術もゆくゆくは勉強したい、あるいは現在進行形で学んでいる。
占星術はいつからはじまった?古代文明から近代科学までアプローチ
西洋占星術史 科学と魔術のあいだ 中山茂 / 著 講談社 ISBN:9784065171325
先に紹介した二冊は占星術にまつわるコラム集というニュアンスが強かったのに対し、こちらは特に占星術史に特化した一冊です。
数ある占術の中でも占星術の歴史は古く、紀元前にまで遡れるといわれています。
本書では占星術の前身が誕生したとされる古代バビロニアから始まり、古代ローマ・ギリシャ、ルネサンス、近代、現代に至るまでの占星術の発展や社会的な役割についての移り変わりを辿ることができます。
こんな人におすすめ
・占星術の起源や歴史について詳しく学びたい。
・占いがエンターテインメントとして消費される以前の役割や学問として研究されていた時代の実態、現代における占いの立ち位置を知りたい。
天体の名前や自然現象、人名etc.…気になる単語はこの事典で調べよう
図説 星の象徴事典 キム・ファーネル / 編著 栗山節子 / 訳 東洋書林 ISBN:9784887217430
西洋占星術を勉強するにあたり、とにかく専門用語や耳慣れない単語が多いと感じる人もいるでしょう。
占術に限らず、占星術の歴史を勉強する際も、占星術の発展において重要な占術家や天文学者の名前が数多く登場します。
この本はその名の通り、占星術を学ぶうえで頻出する単語をさっと調べられる便利な事典です。
文字による解説だけではなく、絵や図解も多く取り入れられているため、占いや図鑑が好きな人なら流し読みするだけで楽しめるでしょう。
こんな人におすすめ
・占星術を研究する際の参考資料が欲しい。
・占星術を勉強するうえで専門用語などを気軽に調べられる辞書のようなものが欲しい。
中古?新品?紙?電子? 自分に合った書籍の選び方
ここで紹介した書籍に限らず、西洋占星術に関する書籍の中には発行年が古く店頭ではなかなか手に入らないものや、絶版になってしまったものもあります。
また、内容の専門性が高いことか印刷された数が少なかったり、単純に文量やページ数が多かったりして、一冊あたりの値段が高く設定されていることも珍しくありません。
古本や電子書籍なら定価よりも安く買える場合もありますが、本当に欲しい本が手に入るのか、後悔しないか不安に思う人もいるでしょう。
ここからは書籍を手に入れるにあたり、いくつかの購入パターンを紹介します。
図書館で借りる
その本に自分が知りたいことが書かれているか、そもそも内容を理解できるかというのは、実際に読んでみなければわかりません。
理想的なのは「一度内容に目を通し、自分に必要な本だと確信したうえで購入する」ことでしょう。
そのために、まずは図書館で探してみるというのもひとつの方法です。
しかし、専門性が高い=読む人が限られている占星術の本は図書館に置いてある可能性が低く、どうしても借りたいと思ったらリクエストを出さなければならないかもしれません。
リクエストが通ったとしても、図書館に本が届くまでどれくらいの期間が必要なのかは図書館の規模や立地によってまちまちなので、読めるのはずっと先になる可能性もあります。
古本を探す
中古で探してみるという方法もありますが、印刷された数が少ないということは古本として出回る数も少ないということです。
運よく見つかったとしても、定価より安く手に入るとは限りません。
既に絶版になった本や稀覯本なら、むしろ高値で取引されている場合もあるでしょう。
必ず中古で手に入れる!と意気込むより、見つかったらラッキーと思っておいたほうがいいかもしれません。
本屋さんで取り寄せる
確実に手に入れるなら、本屋さんに取り寄せをお願いするのが最も安心です。
手元に届くまで多少時間はかかりますが、本屋さんや著者、出版元を応援するという意味でも取り寄せはおすすめです。
ネット通販で購入する
なるべく早く、確実に手に入れたいという場合は、ネット通販や電子書籍が適しています。
アマゾンや楽天ブックスなら送料無料で、本屋さんと同じ値段で買うことができます。
図書カードが使えるオンライン書店もあるので、お得に手に入れるならそちらを探してみるのもよいでしょう。
電子書籍で購入する
タブレットやスマートフォンでいつでも読める電子書籍は、特に外出先で勉強をしたいという人や、本を収納するスペースをとりたくないという人におすすめです。
紙の書籍より安く買えるというメリットもあります。
Kindleストアや楽天ブックスではセールを行うことも多いため、値下げされている期間に欲しい本をまとめ買いするのもひとつの方法です。
解釈はひとつじゃない? 西洋占星術を勉強する際の注意点
インターネットを利用する際も、書籍を使っても勉強する際も、共通して重要なのはできるだけ多くの占術家の解釈に目を通すということです。
同じ占術を使っても、ホロスコープの解釈は占者により異なります。
「この人の解釈が唯一絶対の正解」ということはありません。
解釈を偏らせないためにも、さまざまな占術家の解釈を取り入れたうえで、自分なりの解釈を導き出すよう心がけましょう。
自分でも勉強しながら、専門家に鑑定を依頼してみるというのも有効な方法です。
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占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。