星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中でも、トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)の位置づけは少し特殊で、個人天体のような社員でもなければ、社会天体のような明確な支援者でもなく、外部から会社に影響を及ぼすポジションにたとえることができます。
革命や変化をあらわす天王星は、『自分』という会社と競合するベンチャー企業と考えるとわかりやすいでしょう。
一方、金星は『自分』という会社の魅力を、ヴィジュアルなど五感に訴えるような形で訴える宣伝部長のような星です。
金星と天王星がアスペクトを形成している場合、宣伝(金星)は良くも悪くもベンチャー企業(天王星)の動向に興味津々で、影響を受けやすい状態にあります。
金星と天王星が吉角を成していれば、宣伝(金星)はベンチャー企業(天王星)から刺激を受け、先鋭的な美的センスを発揮するでしょう。
逆に、凶角を成している場合、宣伝(金星)は個性を追い求めるあまり、かえって悪趣味になってしまうかもしれません。
金星と天王星のアスペクトを見ることで、その人のセンスや美的感覚、恋愛感覚の傾向などを読み取ることができます。
金星と天王星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
芸術性や社交性を象徴する金星と、変化や改革を司る天王星が結びついていることから、このアスペクトをもつ人は美に対する感覚が鋭く、エキセントリックな前衛美術から、トラディショナルな古典芸術まで幅広くアンテナを張り巡らせている人です。
実際に、美術や芸術に関わる仕事に就くと成功しやすいでしょう。
進歩的で自由な恋愛観の持ち主で、安定よりも刺激を求める傾向があります。
一目惚れすることもされることも多く、恋愛経験も豊富な人が多いです。
一方で、熱しやすく冷めやすい部分もあり、一人の相手と長く関係を続けるのは難しいでしょう。
結婚後も、家庭におさまるというよりも、積極的に外へ出て仕事や社交活動に精を出すタイプです。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
性格や価値観が似たもの同士、と考えるとわかりやすいでしょう。
金星と天王星が調和しながらお互いを補い合っている状態なので、コンジャンクションほど極端な影響が出ることはありません。
このアスペクトをもつ人は、程よい距離感を保ちながらフラットな人付き合いができる人です。
社交的な反面、特定の相手に深く入れ込むことは少ないかもしれません。
性別や立場に関係なく自然と仲良くなってしまうので、交友関係を気にする相手や、束縛する傾向がある相手とは合わない可能性があります。
しかし、本人は誠実で、義理人情に厚い性格なので、パートナーを裏切ることはまずありません。
結婚後は平和で安定した家庭を築くでしょう。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションやトラインほど親和性は高くありませんが、そのぶんストレートな影響が出にくいでしょう。
このアスペクトをもつ人は、恋愛においても交友関係においても、広く浅い関係性を好む人です。
友人は多いものの、特定のパートナーを作ることにはあまり関心がないかもしれません。
世間の評価や評判を意識することも少なく、結婚して家庭を築くことにも興味が薄いでしょう。
ただし、恋愛経験は豊富なので、その気になればパートナーや結婚相手を見つけるのはそれほど難しくありません。
金星と天王星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
たとえるなら、宣伝(金星)がベンチャー企業(天王星)の存在を意識しすぎて、過度に尖った宣伝戦略を打ち出してしまっているようなイメージです。
このアスペクトをもつ人は、独特の美的感覚を備えている一方で、常識や既成概念にとらわれることを嫌います。
非凡な発想力を求められる分野で大成しやすく、芸術家やデザイナーとしての適性もあるでしょう。
独特の感覚や価値観は恋愛にも及び、周囲から反対されるような関係ほど熱中する傾向があります。
ただし、飽きるのも早いので、最初のうちは熱狂的にのめり込んだとしても、その熱は長続きしないかもしれません。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
根本的な価値感や性格が異なるため、誤解やすれ違いも多く、過剰に干渉することもあれば、お互いの意見が全く響かないこともあります。
このアスペクトをもつ人は、アンビバレンツな感覚の持ち主で、行動や言動に一貫性が見られません。
急に人恋しくなったかと思えば、突き放してみたりなど、衝動的に態度を変える節があるため、交友関係や恋愛関係もなかなか長続きしないかもしれません。
熱しやすいく冷めやすい性質は個人的な楽しみや趣味にも及び、いろいろな分野に手を出すものの、すぐに飽きてしまう、また次に夢中になれるものを探す・・・というサイクルを繰り返します。
複数の人を同時に好きになったり、突然結婚や離婚を決めたりすることもあるでしょう。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。